エンゼルス・大谷 世界一軍団撃ちV打 確信歩きのち右翼フェンス直撃の激走二塁打

[ 2023年6月6日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス2ー1アストロズ ( 2023年6月4日    ヒューストン )

<アストロズ・エンゼルス>8回、勝ち越し適時二塁打を放つ大谷(撮影・会津 智海)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が4日(日本時間5日)、アストロズ戦に「1番・DH」で出場し、8回に右翼フェンス直撃の決勝二塁打。確信歩きからの激走で、負ければ4月24日以来の借金生活という窮地を救った。次回登板は今季初の中6日で、9日(同10日)マリナーズ戦に決定。疲労回復が目的で、フィル・ネビン監督(52)は、メジャー6年目で初の200投球回達成を見据えた措置と明かした。 

 打球を見上げ、確信歩きで1、2歩踏み出した…。いや、何か違う。大谷が3歩目からは慌てて全力疾走だ。1―1の8回2死一塁。打球速度97マイル(約156キロ)、角度27度で飛び出した打球は、右翼フェンス下部に直撃した。今季10本目の二塁打は決勝の勝ち越し打。二塁塁上では右拳を掲げてガッツポーズをつくった。
 「打てて良かったです。勝てて良かったです」

 試合前まで防御率0・98だった右腕メートンのカーブを振り抜いた。今季5度目の決勝打に、フィル・ネビン監督も「本当にいい打席だった」と称賛。昨季ワールドシリーズ覇者で、同地区の強豪に辛くも4連敗を免れた。負ければ借金生活だっただけに、試合後のクラブハウスにも明るいムードが戻った。

 試合後に指揮官は、大谷の次回登板が今季初めて中6日で9日の本拠地マリナーズ戦に決定したことも明かした。今季は原則中5日で登板してきたが、指揮官は「ここで1日多い休み(Extra Day Off)を与えるのがいいと思った」と新提案。従来通りなら8日(日本時間9日)のカブス戦で鈴木との初対決が控えたが、3試合連続で白星のない現状を踏まえ疲労回復を優先した。

 さらに、指揮官は「我々は翔平のキャリア初の200投球回を見据えている」と明かし、「そのためにも1日多く休みを与えることは良いことだと思った」と続けた。昨季は自己最多の166イニングを投げ、今季はここまで計71イニング。次回登板後は再び中5日の登板間隔に戻すことから、今後の登板予定は計18度とみられる。平均7イニングを投げても計197イニングで大台には3イニング足りないが、奪三振率12・17、被打率・175は依然としてリーグトップ。日本投手初のサイ・ヤング賞獲得へ、首脳陣もサポートを惜しむつもりはない。

 チームは61試合を消化し、貯金1の地区3位。球宴前にポストシーズン(PS)進出が厳しくなった昨季と同じ轍(てつ)は踏めない中、9年ぶりのPS進出へ、大谷を中心に、立て直す。チームは5日(同6日)の休養日を挟み、6日(同7日)からは怒濤(どとう)の13連戦。背番号17は上向きな打撃とともに「Extra Day Off」の恩恵を最大限に生かし、マウンドでも躍動を取り戻す。

 ≪254Kペース≫エンゼルスは61試合を消化した。年間162試合に換算すれば、大谷は投手として13勝5敗、254奪三振というペース。昨季は自己最多の219三振を奪ったが、仮に今季が254なら、過去5年間のア・リーグのサイ・ヤング賞投手の中で、19年バーランダー(アストロズ)の300に次ぐ2位の多さとなる。

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