鹿屋体大 歴史つくった初出場初勝利 先制2ランの原主将「まずは1勝できてうれしい」

[ 2023年6月6日 06:15 ]

第72回全日本大学野球選手権第1日・1回戦   鹿屋体大5―3高知工科大 ( 2023年6月5日    神宮 )

<鹿屋体大・高知工科大>高知工科大を破り、喜ぶ鹿屋体大ナイン=神宮
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 日本唯一の国立体育大である鹿屋体大が、高知工科大との“国公立大対決”を制し、新しい歴史を刻んだ。全国大会初出場初勝利に原主将は「まずは1勝できて本当にうれしい」と声を弾ませた。

 自らのバットで試合を動かした。初回2死一塁で初球の直球を捉えて右越えに先制2ラン。「甘い球が来たら初球から打とうと思っていた」とガッツポーズで喜んだ。同点の7回に8番平野の中前適時打で勝ち越した。

 原は昨秋に主将に就任して以降、「迫力のある打線」をテーマに掲げた。個々のスイング量を増やし、多いときに1日で500は振った。高校時代の甲子園経験者は5番・川瀬だけの“雑草軍団”だが、部員は授業でも戦術を学ぶ。講師も務める藤井監督は「(他の国立大に)勇気を与える一勝になったと思う」と目尻を下げた。

 ソフトバンクの和田毅投手が自主トレを行ったこともあるなど国内最高水準のスポーツ設備を誇る利点を生かし、測定分析機器「ラプソード」、回転数などの詳細なデータが測定できる「トラックマン」なども定期的に用い、強化してきた。

 季節によって桜島の火山灰にも悩まされる鹿児島県大隅半島から来た男たちが、九州の国立大としての初勝利。原主将は「こうやって取材を受けているのも新しい感覚」と初々しく話し「今後後輩につなげていけたらと感じている」と使命感に満ちた表情だった。

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