帽子を叩きつけた阪神・湯浅 守護神の務め果たせず自分に腹を立てた「あの態度は反省しています」

[ 2023年6月6日 08:00 ]

交流戦   阪神7―7ロッテ ( 2023年6月5日    甲子園 )

<神・ロ>12回、中村奨の投ゴロをさばく湯浅(撮影・平嶋 理子)
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 【畑野理之の談々畑】いい表情をしていた。湯浅京己だ。7―7の12回に登板して2死から連打で一、三塁のピンチを招いたものの、中村奨吾を投ゴロで切り抜けた。三塁側へのボテボテのゴロを好フィールディング。一塁への送球がワンバウンドになったが、大山悠輔がうまくすくい上げてくれて、にっこり笑った。

 この日の試合前に、湯浅のところへ向かった。2日前の試合中に帽子をグラウンドに叩きつけたことについて話を聞きたかったからだ。3日のロッテとの初戦で5―2の9回に登板も3失点。マウンドを降りた時に感情が激しく爆発した。

 「あのシーンを、あまり覚えていないんですよ。ヒットを打たれてしまって、気付いたら点を取られていて…。カッカしているのがマウンド上でも出てしまっていました」

 回の先頭・山口航輝の遊ゴロを木浪聖也がはじいた。続く佐藤都志也に右前打でつながれてピンチは広がり、このあたりから冷静ではいられなくなり、あまり記憶もないのだという。

 チームメートへの八つ当たりによる行動では絶対に違うと分かってはいる。それでも“答え”を、湯浅本人の口から聞きたかったから、やってきたのだ。そして、きちんと話をしてくれた。

 「配球がどうとか、エラーしたからどうとか言われるのがボクは一番イヤなんです。失点したらすべて投げたピッチャーのせいだと思うんです。野球は助け合いのスポーツですし、いつもカバーし合っている。自分の力不足なんです」

 大竹耕太郎の白星を消した。延長戦で投げたリリーフ投手にも本来ないはずの登板を負担させた。チームのみんなに迷惑をかけた。守護神としての務めを果たせなかった自分自身に腹を立てて、マウンドから降りたところで思わず怒りにまかせて帽子を叩きつけてしまった。

 「あの態度はもう出したくないですし、出してはいけないと反省しています」

 熱くなることはプロ野球選手ならあってもいいと思う。勝ちゲームのゲームセットの瞬間を任されるなら、それくらいの激しさも必要なのかもしれない。それでも叫んだり吠えたり、ガッツポーズまでなのだろう。熱いハートは湯浅の武器の一つだが、いいパフォーマンスができなかった時は、グッとこらえることになりそうだ。

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