【スポニチスカウト部(18)】幕張総合・早坂響 昨秋まで捕手も最速150キロ剛腕に

[ 2023年6月6日 06:00 ]

今年に入り150キロ超をマークした幕張総合・早坂
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第18回は幕張総合の最速150キロ右腕・早坂響(おと)投手(3年)。昨秋までは捕手だったが、本格的に投手転向してから約8カ月で大台に到達。県立高からプロの世界に駆け上がる。 ドラフト速報

 校舎はおしゃれなガラス張り。なんと教室には土足で入ることができる。生徒が興味、関心、進路に応じて科目を選択する自主性を尊重する総合学科。そんな県立の幕張総合に進学した早坂は「高校野球で燃え尽きる気持ちで」と野球部に入部した。1メートル68、55キロだった捕手が2年後、プロ注目の剛腕になるとは本人ですら想像していなかった。

 「自分は私立で野球ができるような選手じゃなかった。中学まで人数の少ないチームだったので、部員が多いところで野球をしたいなと。グラウンドを見て“ここがいいな”って決めました」

 今春、千葉に新たな剛腕が誕生した。1メートル76、68キロとなった右腕は春季大会で148キロをマークして話題を呼び、5月13日に行われた千葉東との練習試合で150キロを計測。その後の練習試合でも再び150キロを叩き出すなど、高校生離れしたパワーピッチにプロのスカウトも続々と視察に訪れている。直球だけではない。切れ味鋭いスライダーは130キロ台。一級品の2球種で三振の山を築いている。

 転機は昨秋。捕手としてのスローイングの良さに注目した柳田大輔監督が「投手をやってみないか」と提案。指揮官が信頼を寄せ、プロ選手やドラフト候補選手を指導するスポーツトレーナー・北川雄介氏の指導を受けると眠っていた才能が開花した。急成長を遂げ、成長速度は緩めない。春季県大会3回戦の木更津総合戦では0―10で力負け。早坂も2回3失点と打ち込まれ「スピードだけでは抑えられない。緩急と縦の変化を磨きたい」と成長を誓った。

 プロ入りへのアピールと同校初の甲子園出場を狙う高校最後の夏。「今はプロを目指しています」。燃え尽きるのは当分、先になった。(柳内 遼平)

 ≪ナイン献身サポート6人の女子マネ≫6人の女子マネジャーが、野球部を支えている。グラウンドの水道は右翼側に1カ所しかなく、マネジャーたちがペットボトルで水をくんで往復する。夏には大量に汗をかくほどの重労働だが、横田春南さん(3年)は「目立つ仕事ではなくても選手に感謝されたらやりがいを感じます」とへっちゃらだ。平日は3時間ほどしか練習時間を確保できないため、マネジャーたちは1秒でも選手の練習時間を確保すべくノック補助やライン引きなどでサポート。夏は記録員としてベンチ入りする予定の杉千晴さん(3年)は「いっぱい勝ちスコアを書きたいなと思っています」と期待した。

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