ソフトBの育成助っ人フェリックス 160㌔超速球が魅力のドミニカン 憧れるモイネロのような活躍

[ 2023年6月6日 07:10 ]

5月17日の2軍戦に登板したフェリックス(撮影・岡田 丈靖)
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 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届け中の「筑後鷹」第31回はドミニカ共和国出身の育成2年目、最速160キロ右腕のマイロン・フェリックス投手(23)だ。5月17日にペイペイドームであったウエスタン・リーグのオリックス戦では159キロの直球を4球連続で投げ込むなどファンを沸かせた。支配下登録され、憧れのリバン・モイネロ投手(27)のような活躍を目指す。

 アドレナリンが全開になった。先月中旬に7年ぶりに1軍の本拠地のペイペイドームで開催された2軍のオリックスとの3連戦。17日に登板したフェリックスは先頭の来田に159キロの直球を4球連続で投げ込む剛球を披露。ピンチはつくったが、1回無失点。直球は25球中18球で155キロオーバーだった。

 「ドームで投げたことは凄く大きなモチベーションになりましたし、将来ここで投げたい、投げるためにやっているんだという、いい機会になりました」と23歳の右腕は目を輝かせながら語った。

 田之上2軍投手コーチが「魅力」と話す最速160キロの直球と高速チェンジアップが持ち味。来日1年目の昨年は2軍で12試合に登板し、防御率3・63の成績。「いろんな感情だったり、情報が頭の中に入って対峙(たいじ)していくのは難しかった」と初めてプレーする日本で勉強の毎日を過ごした。

 2年目の今季は真っすぐの速さだけではなく、コントロールにもフォーカスして練習から意識して取り組んでいるという。ここまで2軍では4試合に登板して3回2/3を投げ四死球は2。3、4軍の非公式戦では7試合に登板して8回を投げ四死球は2と成果は数字に出ている。

 憧れはチームメートのモイネロだ。来日1年目の昨年に初めて会話をした選手で金言も授かった。「真っすぐ以外でストライクを取れるボールを覚えなさい」だ。速球だけでは打ち返されてしまう。ステップアップしていくために、自分を守るために必要と説かれた。さらには「必ずハードワークをしろ」とも言われた。モイネロは育成枠で入団し、支配下登録された。「日本人がやっているところに追い付くのではなくて、それ以上に頑張らないと評価はつかめない」とアドバイスされ糧にしている。

 普段から陽気なドミニカンには自然とチームメートが駆け寄ってくる。「自分が明るかったらチームメートを元気づけられる」と話す。筑後のファーム施設では森や又吉など1軍経験豊富な選手から的確な助言をもらった。「一人、一人に長所があるのでそれを盗めるようにしたい!といつも思っているんですけど、森さんや又吉さんが近づいてきてくれて。日本のトップクラスの選手からメッセージをもらえるのはうれしい」と感謝する。

 愛称はラファガ。父が付けてくれたあだ名であり、速い直球を投げることから「突風」の意味もある。「1軍に上がってプレーする目標をかなえるために、変わらずハードワークしていきたい」。いつの日か、ペイペイドームで相手打者を切り裂く剛球を披露する。(杉浦 友樹)

 ◇マイロン・フェリックス 1999年11月29日生まれ、ドミニカ共和国出身の23歳。22年にソフトバンクに育成枠で入団。背番号は141。「ラーメンクレイジーボーイ」と自称するラーメン好き。カレーも好物。「うどんとそばはなかなか食べられないんですけど、それ以外は好きです」。1メートル90、81キロ。右投げ右打ち。

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