西武“動ける巨漢”継ぐ男・116キロ渡部が重盗で本盗 地元ハマスタどよめかせた

[ 2023年6月6日 05:30 ]

交流戦   西武6―4DeNA ( 2023年6月5日    横浜 )

<D・西>走るポーズを決める渡部(撮影・島崎 忠彦)
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 西武の渡部健人内野手(24)が5日、DeNA戦に「5番・一塁」でスタメン出場。適時二塁打を放って出塁した3回に、2死一、三塁の三塁走者でダブルスチールの本盗を成功させた。外国人選手も含めてNPBでは4位タイの体重116キロの男が、機敏な動きを披露。神奈川出身で桐蔭横浜大時代にも慣れ親しんだ横浜スタジアムで存在感を示し、チームは3連敗を免れた。

 体重116キロの巨漢がチームスローガンの「走魂」を体現した。3回2死一、三塁。三塁走者の渡部は一塁走者がスタートを切ると「捕手が投げた瞬間に行こうと思っていた」と二塁送球を見てスタート。二塁タッチプレーの間に、滑り込むこともなく涼しい顔でホームを駆け抜け、文字通り“重盗”を決めた。

 「常に次の塁を狙っている。追加点を取れて良かった」としてやったりの笑顔。3日の同戦ではバウアーからプロ初盗塁をマーク。意外にも50メートル走6秒3だ。“動ける巨漢”の好走塁に敵地のスタンドはどよめいた。現役時代は日米通算465盗塁を記録した松井監督も「いいスタートを切った。あそこで走れたというのは非常に大きい」と目を細めた。

 5月27日の1軍昇格から4番を務めてきたが、この日は今季初めて5番で出場。3回は重盗を決める前に適時二塁打を放つなどバットでも仕事を果たしていた。神奈川出身で桐蔭横浜大時代にプレーした横浜スタジアム。大学4年秋にはファウルボールを追ってカメラマン席に突っ込み右肩を痛めるなど苦い思い出もあるが、今3連戦は11打数4安打で打率・364。山川、中村が離脱する中で、同じ巨漢でもある男の存在感は増すばかりだ。

 入団から右の大砲候補として期待されながら2年目の昨季は1軍出場なし。救いの手を差し伸べたのは桐蔭横浜大・斉藤博久監督だ。オフに母校に足を運び恩師に「もうバットを握りたくない」と弱音を吐いた。実は繊細な心。「一度しかない人生。悔いがないように。野球をやめた後の人生の方が長い。今を楽しみなさい」と言われ、心が軽くなった。

 大好きな地元名物の「家系ラーメン」は体形維持のために我慢している。「もうアピールするだけ。まだまだ足りない」と渡部。真価が問われる3年目は最後まで走り抜ける。(福井 亮太)

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