侍・栗山監督　4連勝1位通過に「まずは次に行けてホッとした」

WBC1次ラウンドB組   日本7－1オーストラリア （ 2023年3月12日    東京D ）

＜オーストラリア・日本＞2回、ヌートバーの適時打で生還した中野を迎える栗山監督（中央）（撮影・会津　智海）
Photo By スポニチ

　破竹の4連勝。圧倒的な強さで1次Rを1位で突破した。それでも、栗山監督には笑顔も喜びの言葉もない。宮崎合宿に入る前から「怖さしかない」と話した通り、準々決勝進出に安堵（あんど）した。

　「ここを抜けて次に行くことしか考えてなかった。まずは次に行けてホッとした」。本音だった。相手の情報が少なく、メジャー組の合流もダルビッシュ以外は合宿後だ。カブス・鈴木の出場辞退もあった。尽きない不安要素の中、ひたすら選手を信じ、選手の力を最大限に引き出すことに全力を注いだ。

　4連勝にも「終わってみれば、やっと勝たせてもらった感じしか残っていない」。そう言いながらも、メジャー組の合流で期待した化学反応が「いろんなところで間違いなく起こった」とも言った。特に、投打に躍動した二刀流・大谷について「大谷選手だなあ、という感じですね」と独特の表現で称えた。

　ただ、ここからは一発勝負。「選手が思ったプレーをできるようにして、勝ちきりたい」。世界一へ、あと3勝をもぎ取る。（秋村　誠人）