大谷、自分に当てた!!看板役者弾 初回決勝3ランで侍1位突破、16日イタリア戦先発も任せろ

[ 2023年3月13日 05:05 ]

WBC1次ラウンドB組   日本7-1オーストラリア ( 2023年3月12日    東京D )

<豪・日>初回、先制3ランを放つ大谷(撮影・光山 貴大)
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 侍ジャパンは12日、カーネクストWBC1次ラウンド東京プール最終戦でオーストラリアに7―1で快勝し、4戦全勝でB組の1位突破を決めた。「3番・DH」で出場した大谷翔平投手(28)が初回に右中間後方の自身が広告塔を務める看板にぶち当てる飛距離140メートルの先制3ランを放つなど打線をけん引。準決勝、決勝が行われる米国行きを懸け、A組2位のイタリアと戦う16日の準々決勝(東京ドーム)には大谷が先発する。

 帰りの球場通路。1次ラウンド4連戦を終えた大谷は、2日連続で行っていた試合前フリー打撃に参加しなかった理由を説明した。「ちょっと疲れていると思ったので。いつも通りの感じで行こうかなって」。21年から始めたメジャーでのシーズン中と同じルーティンに戻し、記念すべきWBC1号を呼んだ。

 初回無死一、二塁。大谷は先発左腕シェリフのカーブを捉えた。打球の着弾点は右中間後方、自らの顔が広告塔を務める「セールスフォース・ドットコム」の看板。「良い角度で上がってくれたので“入ってくれ”という感じで見ていた」。飛距離140メートルの先制3ラン。打球を見送る涼しい顔とは対照的に打球はえげつなかった。本人にも自覚があり「引っ張った打球があまり上がっていなかったので、久々に良い打球を打てて、良い景色だった」と自画自賛。「子供の頃からずっと夢に見ていた。本当に早く打ちたいと思っていた」と感慨を込めた。

 “看板役者”とは大谷のことだ。東京ドームは昨季開幕前に過去最大規模のリニューアル工事を行い、外野席後方の電光掲示に変わった看板広告はイニングごとにランダムに入れ替わる。まさに奇跡的ともいえるタイミングで自身の看板にぶち当てた衝撃弾。今大会4試合連続安打&打点と存在感は群を抜く。2回は申告敬遠でスタンドは大ブーイング。4回は押し出し四球を選んだ。1次ラウンドは4試合で12打数6安打、打率.500、1本塁打、8打点。「バリエーション豊かな投手がいて、楽しく打席に立っている」。子供の頃からの夢を楽しむことが、好結果につながっている。

 侍ジャパンの看板を背負う二刀流侍が、初回の特大弾でチームを勢いづけ、4連勝での1位突破に導いた。9日の中国との初戦での先発登板から中6日を空け、米国行きを懸けた一発勝負の16日の準々決勝・イタリア戦では「投手兼DH」でマウンドに上がる。中国戦後に声援の大きさについて「まだまだ(声援が)足りない」とお立ち台で呼びかけていた男は、この日は4万1664人から大歓声を浴びて「まあまあでした」とイタズラっぽく笑った。

 大谷は最後に「まだまだ気合を入れて優勝を目指して頑張るので応援よろしくお願いします」と言った。見据える目標は、変わらない。侍ジャパンを09年の第2回大会以来、14年ぶりの世界一に導くため、運命の3・16に向かう。(柳原 直之)

 ≪Salesforce社の株価爆上がり!?≫奇跡的な確率で看板を当てられた企業もビックリだ。大谷が広告塔を務める「Salesforce(セールスフォース)」は情報管理システムを扱い、今大会は協賛企業に名を連ねる。大谷は22年1月28日から同社の広告シリーズに登場し、今大会のテレビ中継でも「次の世界へ。失敗の数だけ、成長できる。」編のCMでおなじみ。また、今回の看板直撃でインターネットでは「広告換算費が気になる」、「株価上がりそう」など反響の声が上がっていた。

 ≪走者ありでの初回先制弾06年多村以来17年ぶり2度目≫大谷が初回にWBC初本塁打となる先制3ラン。WBCで日本代表の初回先制アーチは17年2次ラウンド・キューバ戦で山田哲人(ヤ)が先頭打者本塁打して以来。走者ありでは06年1次ラウンド・台湾戦で多村仁志(横浜)が3ランを放って以来17年ぶり2度目だ。これで大谷は8打点。WBCで日本代表の1大会8打点は吉田(レッドソックス)と並び今大会最多。歴代でも8打点以上は6人目(最多は前記多村の9打点)。

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