侍・由伸 次は準決頼む! 大谷、ダル、朗希から先発のバトン 最強4本柱の大トリ4回8K零封

[ 2023年3月13日 05:05 ]

WBC1次ラウンドB組   日本7-1オーストラリア ( 2023年3月12日    東京D )

<オーストラリア・日本>2回、3人で抑え、吠える山本(撮影・光山 貴大)
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 09年の第2回大会決勝戦。イチローの決勝打を、当時10歳だった山本少年はテレビで食い入るように見つめていた。あれから14年。侍のユニホームに袖を通した右腕が、マウンドに仁王立ちした。

 「前回の試合前にダルビッシュさんと話をして、高めのストレートを使う話に関して教えていただいた。低めと高めもバランス良く投げられたので本当に感謝しています」

 最速155キロの直球に、切れ味鋭いスプリットとカーブ。左足をすり足のように踏み出す新フォームで、狙い通りに高低にオーストラリア打線を揺さぶった。元オリックス育成で同期入団の4番・ジョージから2三振を奪うなど、毎回の8奪三振。二塁すら踏ませず4回1安打無失点で制圧した。

 史上初の2年連続投手4冠などタイトルを総なめにしながら、この春はフォーム改造に着手。周囲からの反対の声も多かったが「言われたから変えようと思うほど軽いものではなかった」と、強い意志を貫いた。10歳の時、WBC胴上げ投手となったダルビッシュから「あれだけ成績を残す中で、変化をつけるのは素晴らしい」と称えられた向上心で結果に結びつけた。

 新人だった17年9月26日の日本ハム戦で先発し、打者・大谷と初対決した。2打数1安打1打点、1犠飛で、1打席目はスライダーで空振り三振。当時、大谷には「対戦した中で、一番良いスライダーだった」と最大級の評価を受けた。その大谷から援護を受けマウンドを守った。

 大谷、ダルビッシュ、佐々木朗とつながれた侍の先発のバトン。「そこはもう、とにかくプラスに受け取って、いい流れに乗ってプレーしようと」と白星をつないだ。勝ち進めば、次回登板は米国での21日の準決勝の見込み。先発が有力な佐々木朗とのリレーで、決勝に導くマウンドになる。(阪井 日向)

 ≪メジャースカウト50人熱視線≫今オフにもポスティングシステムを利用してメジャー移籍の可能性がある山本のWBC初登板に、大リーグ球団のスカウト約50人がバックネット裏から熱視線。大半のスカウトが「山本については話せない」と口を閉ざし、真剣な表情でメモを取った。米メディアによれば、楽天・田中将が14年からヤンキースと結んだ7年総額1億5500万ドル(当時約158億円)に匹敵する、6年総額1億5000万ドル(約203億円)規模の大型契約が見込まれている。

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2023年3月13日のニュース