侍・栗山監督 勝因はヌートバーの全力疾走「あれが流れを呼んだ」

[ 2023年3月10日 05:05 ]

WBC1次ラウンドB組   日本8-1中国 ( 2023年3月9日    東京D )

<日本・中国>4回、ヌートバーは敵失で出塁する(撮影・沢田 明徳)
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 苦しんだ。序盤はひりつくような展開。これが国際大会と分かっていても、栗山監督は安堵(あんど)したようにこう言った。

 「国際大会は思ったようにはいかないと見てきて思ったが、本当に難しいなと。まずは勝ってよかった」

 対戦相手の情報が少ない中での戦い。データを持って対戦するプロ野球とは違い、相手投手のボールの軌道や変化など未知で、6回まで3―1。打線は先発全員の17四死球を得ながら、攻めあぐねた。「イメージできない中で慌てないように」と進め、終盤に突き放したが16残塁は侍ジャパンのWBCワーストとなった。

 苦しんだ序盤で栗山監督がポイントに挙げたのは4回のヌートバーの走塁。一塁ゴロで全力疾走し、一塁手がはじく間にセーフに。大谷の2点二塁打につながった。「少しでも緩めたらセーフにならない。(全力疾走は)日本野球の原理原則。あれが流れを呼んだ」。日系メジャーリーガーの“侍魂”で栗山監督にとってWBC初陣勝利。苦しみながら手にした勝利は格別だった。(秋村 誠人)

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