阪神・筒井スカウト 担当した湯浅と中野が日本代表に 世界一目指す侍2人に「十分に楽しんできてほしい」

[ 2023年1月27日 06:00 ]

湯浅(左)と筒井スカウト(撮影・平嶋 理子)
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 侍ジャパンに選出された湯浅と中野をともに担当した阪神・筒井和也スカウトがスポニチの取材に応じ、指名に至るまでの秘話を明かした。

 18年ドラフト6位でBC富山から入団した湯浅は、17年から同職に就いた筒井スカウトにとって初の担当選手となった。富山1年目の成績は3勝7敗、防御率5・72と振るわず。それでも初めて視察した試合で、右腕に文字通り一目ぼれした。

 「9回にひっくり返されて負けたんですけど、僕が当時2年間やってきてこれだけ欲しいと思った選手はいなかった。マウンド上での表情、マウンドさばき。簡単に言ってワクワク、ドキッとした。これ(他球団に)獲られたらやられるなと」

 NPB通算221試合登板の実績を誇る筒井スカウトが目を付けたのはアマチュア球界では希少と言える縦変化のスライダー。それを操る湯浅に、現役時代同僚だった久保田現1軍投手コーチの姿を重ね合わせたという。「久保田さんはフォークもありましたが、縦のスライダーでも空振り三振を取っていた。その姿ともちょっとかぶって見えた」。加えて体つきの良さ、面談で感じた人間性にも、ひかれた。当時の佐野仙好スカウト部長に直談判し、ドラフト前日会議では就任直後の矢野監督らを前に熱くプレゼン。その甲斐もあって獲得にこぎ着けた。

 2人目の担当選手となった中野も6位指名だったが、下位から日本代表にまで上り詰めた。「入る順位はアマチュア時代の実績。入ってからやれるか、という(人間の)中の部分、努力だったり継続できる部分を僕らは見抜いてあげたいなと思う」と筒井スカウト。その眼力が2選手をプロにいざない、世界へと通じる道を示した。「十分に楽しんできてほしい」。目を細めつつ世界一を目指す侍2人にエールを送った。(阪井 日向)

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