【センバツ選考事情】近畿7校目は社、関東・東京7校目は二松学舎大付 「地域性」より実力評価

[ 2023年1月27日 17:24 ]

センバツの出場校に選出され歓喜の社ナイン (撮影・後藤 大輝) 
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 今回の選考は昨年7月にまとめた「選考ガイドライン」に沿って進められた。昨年の選考で東海地区準優勝校が選考から漏れ、論議を呼んだ。

 予選を持たない選抜大会の特色から、秋季大会は参考資料に一つであり、その結果で自動的に出場校が決まらないという基本原則を再確認した。

 また「地域性」については「複数の学校の評価が並んだ場合、できるだけ多くの都道府県から出場できるよう地域性も考慮する」と明記した。あくまで実力評価が基本であり「評価が並んだ場合」のみ、地域性が配慮されるとしていた。

 この実力評価が如実に表れたのが近畿の最終7番目だった。ともに近畿大会で1勝していた社(兵庫)と高田商(奈良)の比較となったが、「奈良1位の天理に打ち勝った点を評価した」(宝馨選考委員長=日本高校野球連盟会長)と社を選出した。すでに同じ兵庫から報徳学園が選出されており、地域性が加味されれば、高田商に分があった。しかし「地域性以前の実力で選ばれた」(大会事務局)という結果になった。

 関東・東京の7番目は横浜(神奈川)と二松学舎大付(東京)が比較検討された。宝委員長は「投打のバランスを含めた総合力で二松学舎大付に落ち着いた」と話した。「横浜は2試合で4点と打線が振るわなかった。1年生が多く、今後に期待したい」と補欠校に回った。

 四国の3校目は優勝校の英明(香川)に9回、一打同点とした粘りを評価して高知が鳴門(徳島)をしのいだ。中国・四国6番目は鳴門との比較で鳥取城北を選んだが「地域性を考慮したということではない」とあくまで実力評価だった点を強調した。

 今回は選考経過説明のなかで「きびきびした」という言葉が再三聞かれた。能代松陽、健大高崎、大分商などについてで、さらに「フェアプレー精神」や「全力プレーに好感」いった言葉も聞かれた。選考ガイドラインにあった「技術面のみならず、フェアプレー、マナー、きびきび、はつらつとした動きといった野球に取り組む姿勢」を評価したあとが垣間見えた。

 また前回まで各地区別小委員会の委員長が行っていた選考経過の説明を宝委員長や2人の副委員長が行った。昨年の選考で特定の委員に非難や誹謗が集まったことから、宝委員長は「昨年の反省を踏まえ、委員会全体の総意として選出したということで、これで良かったのはないかと思う」と説明した。 (内田 雅也)

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