阪神・湯浅 球児背番「22」で火の玉継承 侍選出で世界一へ自ら希望 「覚悟の意味を含めて選んだ」

[ 2023年1月27日 05:10 ]

侍ジャパン全30選手決定

侍ジャパンに選出され背番号22を書き込み意気込む湯浅 (撮影・後藤 大輝) 
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 3月に開催される第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で14年ぶりの世界一奪還を狙う侍ジャパンの残り18選手が26日に発表され、全30選手が出そろった。阪神からは湯浅京己投手(23)と中野拓夢内野手(26)が選出。湯浅は藤川球児球団本部付スペシャルアシスタント(42)が現役時代に阪神、そして2009年WBCでも背負った背番号22を自ら選び、背負うことが決まった。虎の熱き右腕が、火の玉守護神の系譜を継承する。

 湯浅は自ら希望して「火の玉」の系譜を継承することを決めた。かつての絶対的守護神・藤川球児の代名詞「22」を背負う決断に、日の丸にかける熱い思いがほとばしった。

 「過去の大会で投手では球児さんがつけていらっしゃったと思うんですけど、やっぱりリリーフをやっているからには追いつき、超えていかなければならない背中だと思っている。自分の覚悟の意味を含めて、22番を選ばせていただきました」

 BC富山時代に付けた「17」、阪神で背負う「65」と他にも思い入れのある番号が候補にある中から選び出したのは、特別な番号だった。「偉大な先輩ですし、本当に日本球界を代表する投手。やっぱり上を目指すからにはそれくらいの覚悟というか…自分の中でもそういう世界の大会ですし、やっぱり目標でもあるので」。小学4年だった09年、母とともに東京ドームで観戦したWBC韓国戦を脳裏に焼き付けた。藤川が「22」を背負って臨んだその大会から14年後、紆余(うよ)曲折を経た右腕は、同じ舞台へと上り詰めた。

 「何年かに1回しかない大会ですし、コロナでしばらくできていなかった。だからより特別感がありますし、すごい選手ばかり出ると思う。力まずにどこまで力を出せるか」

 栗山監督からは直接電話で「世界一になるために力を貸してくれないか」と言葉をかけられた。「もちろんやるからには良いところで投げたい思いもありますけど、本当にどこで投げてもチームのために、日本を背負っていくわけなので。日本のためにしっかり自分のやるべきことをやれれば」。視線の先に見据えるのは世界一の頂のみ。パワーのある外国人打者にも、ひるむことはない。真っすぐとフォーク主体に空振り三振を狙う本来のスタイルで立ち向かう。

 「力で押し切ることは難しいかもしれないが、しっかり押し切れるように工夫しながら、真っすぐでもフォークでも空振りを狙って。状況と場面を見ながら、しっかり自分のボールが投げられれば」

 WBCを見据えて温暖な沖縄で自主トレに励み、肩を温めてきた。「順調にきている」。熱き右腕はかつての火の玉右腕同様、真っ向勝負で世界に挑む。(阪井 日向)

≪球児SA「タイガース代表として頑張って」≫ ○…湯浅は、かねて藤川SAから「(俺を)目指すな」と言われていたことを明かした。大先輩の真意としては「(自分ではなく)千賀や山本由伸を目指せ」。目標は高ければ高いほどいいという“球児流”の金言だが、22歳にとって、長く虎の守護神を担った藤川SAの存在は何よりも大きい。また、この日、鳴尾浜を視察した同SAからは改めて「タイガース代表として頑張ってもらいたい。日本の代表として」とエールを受け取った。

 ▽藤川球児のWBC・VTR 06年の第1回大会は背番号22を年長者の里崎智也に譲り、自身は24番で出場。3月12日の米国戦では9回2死満塁でアレックス・ロドリゲスのバットを折りながらも中前に運ばれサヨナラ負けを喫した。大会通算は4試合で1失点(自責0)。09年の第2回大会は背番号22で出場。1次ラウンドは4試合を無失点。準決勝以降はダルビッシュが抑えを務めたため登板機会はなかったが、抑え経験のないダルビッシュに心構えや調整方法などを助言。侍ジャパンの連覇に貢献した。

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2023年1月27日のニュース