槙原寛己氏が侍ジャパンチェック・投手編 守護神は調整ハマった投手見極めて

[ 2023年1月27日 05:10 ]

侍ジャパン全30選手決定

槙原寛己氏
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 WBCに出場する侍戦士30人が決まった。投手は先発から第2先発、中継ぎ、抑えとバランス良く選出。一方で野手は外野が5人で中堅を本職とする選手がいない布陣となった。適材適所で用兵することが必須の短期決戦。WBCの取材経験も豊富なスポニチ本紙評論家の槙原寛己氏(59)が今回のメンバーを分析した。

 【投手編】ダルビッシュ、山本、佐々木朗ら先発陣に第2先発、中継ぎ、抑え。投手は非常にバランス良く選出された印象がある。最大の焦点は二刀流・大谷の起用法になるのは間違いないが、私はまず守護神に注目したい。

 山崎(DeNA)が選から漏れ、候補は栗林、松井裕、大勢。栗林は21年東京五輪の守護神で、松井裕は実績豊富だ。大勢は活躍したのが1年だけで、はまれば一番力があるが逆に「怖さ」もある。現時点で抑えの座を決めるのは難しい。投手にとって、3月というのは非常に微妙な時期だ。調整がはまった投手を使いたい。それには宮崎合宿、壮行試合などでの見極めが大切になる。

 東京ドームでの1次ラウンドでそれぞれ投げ、「一発勝負」となる準々決勝以降に備えるのもいい。実績や名前は度外視して、調整度合いを最重要視して臨機応変に起用する。先発投手をリリーフに持っていくのは最後の手段だが、そこで私は大谷の名前を挙げたい。二刀流。しかし、私は今大会は打者に専念して、より力を発揮してほしいと思っている。投手で起用するなら米国での準決勝、決勝の最後のマウンド。09年のダルビッシュの再現だ。最高のシナリオになると思う。

 先発投手の力量がより試されるのは、まず1次ラウンドの韓国戦と準々決勝。韓国戦は山本でどうか。そこに投げて準決勝へという青写真。準々決勝はダルビッシュか。佐々木朗は中国戦、今永は過去の対戦で相性の良かったオーストラリア戦でどうだろうか。戸郷、宮城、高橋奎、伊藤ら、球数制限のある中で第2先発の駒も豊富。そんなメンバー構成になっている。

 楽しみなのは最年少、20歳の高橋宏。非常に生きがいい投手で、短いイニングで力を発揮するだろう。次世代の侍ジャパンのエースになり得る可能性がある。21歳の佐々木朗とともに奮闘してほしい。

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2023年1月27日のニュース