龍谷大平安 聖地帰還へ川口知哉コーチ「甲子園ではいいことしか起こらない」 選抜出場36校27日発表

[ 2023年1月27日 06:00 ]

坂道ダッシュで汗を流すナインを見守る龍谷大平安・川口知哉コーチ(撮影・後藤 正志)
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 第95回選抜高校野球大会(3月18日から14日間、甲子園)に出場する36校は、27日に発表される。選抜史上最多41度の出場を誇る龍谷大平安(京都)は、昨秋の近畿大会で4強入りし、4年ぶり42度目の出場が確実。同校OBで昨年4月にコーチに就任した元オリックス・川口知哉氏(43)にとっては、指導者として初めて聖地に戻る大会となる。97年夏の甲子園準優勝左腕は、対話しながら育ててきた選手が晴れ舞台で活躍することを願った。

 春夏通算75度の出場を誇る歴史の中でも、川口コーチが残した戦歴は光り輝いている。3年生だった97年の甲子園で春8強、夏は準優勝に輝いた。あれから26年。指導者として戻る聖地を思い、早くも胸が高鳴っている。

 「選手たちには“甲子園は、いいところやで”とずっと言ってきたし、甲子園の舞台を経験させてあげたいと常々思っていました。指導者という立場で行った時に、何を伝えられるのか楽しみです」

 昨年4月にコーチとして同校に戻るまでには紆余(うよ)曲折あった。97年にドラフト1位でオリックスに入団。だが本来の投球フォームを見失い、プロ通算7年間で登板9試合に終わった。その後は中学生や女子プロ野球の指導を経験。「選手一人一人に合うものを提供したいとずっと思っていた。指導ファーストではなく、選手ファースト」と自身の考えを押しつけない指導法を貫いている。

 対話を重ねる姿勢が聖地を引き寄せた。昨秋の府大会で3位に終わったことをきっかけに、バッテリーと配球論を徹底的に話し合うようになった。効果はすぐに表れ、近畿大会3試合で計5失点の堅守で4強入り。選抜出場を確実にした。

 「指導者として甲子園に行くのは初めてなので、自分が現役の頃とは少し違う景色に見えるかもしれない。結果がどうであれ、選手にとって素晴らしい経験になる。そう考えると、甲子園ではいいことしか起こらない」。甲子園は、自身に光を当ててくれた。それと同じように選手が聖地で輝く日を心待ちにしている。(河合 洋介)

 ◇川口 知哉(かわぐち・ともや)1979年(昭54)8月25日生まれ、京都府城陽市出身の43歳。平安(現龍谷大平安)では1年夏からエースで3年時に春夏連続で甲子園出場。97年ドラフト1位でオリックス入団し、通算9試合0勝1敗、防御率3・75。04年限りで現役を引退。その後、日本女子プロ野球機構でコーチ、監督を歴任し、22年4月から龍谷大平安のコーチを務める。左投げ左打ち。

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