ヤクルト・嶋が涙の引退会見 指導者の道へ「野村監督のような名将に」

[ 2022年9月29日 05:30 ]

引退会見で感極まるヤクルト・嶋
Photo By 代表撮影

 ヤクルト・嶋基宏捕手(37)が28日、神宮球場で会見し、今季限りでの現役引退を表明。楽天時代の13年に球団初の日本一に貢献し、プロ野球選手会会長も務めた16年を涙で振り返った。今季最終戦となる10月3日のDeNA戦(神宮)で、引退セレモニーが行われる予定。

 会見後。サプライズで中村、塩見らが花束を渡すために現れた。嶋の人望の厚さを物語る一幕。「泣きすぎて、もう涙、出ないよ」と笑顔で受け取った。

 ユニホーム姿で会見し、今季限りで16年間の現役生活に終止符を打つことを表明。昨オフにコーチ補佐の兼任を打診され「今年一年やったらという覚悟は僕の中でできていた」という。「夏過ぎくらいから今年がタイミングかなというのが強くなった」と明かした。

 楽天から19年オフに減額制限を超える条件提示を受け自由契約の末にヤクルトに拾われた。20年から2年間は単身赴任。家族の話題を振られると言葉に詰まり涙があふれた。「仙台に家族を残し妻につらい思いをさせた。子供の成長も近くで見届けることができなかった」と言うが、それは野球選手の宿命。来年以降は家族との時間も増えそうで「これからは“気をつけて学校に行ってこいよ”と言ってあげられる父親でいたい」と語った。

 楽天では故野村克也監督の薫陶を受け、新人の07年から正捕手として活躍。「捕手のイロハを教えていただいた」と感謝する。13年には日本一にも貢献。経験に基づいた的確な助言で、今季は兼任するコーチ補佐としての評価も高い。「野村監督のように名将と言われる指導者になっていきたい」。恩師の背中を見据え、第二の人生をスタートさせる。

 ◇嶋 基宏(しま・もとひろ)1984年(昭59)12月13日生まれ、岐阜県出身の37歳。中京大中京から国学院大を経て、06年大学・社会人ドラフト3巡目で楽天に入団。13~17年にはパ・リーグ球団から初の労組選手会長を務めた。19年オフにヤクルト移籍。今季からコーチ補佐を兼任していた。プロ通算1440試合出場で打率.240、26本塁打、315打点。1メートル79、84キロ。右投げ右打ち。

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2022年9月29日のニュース