阪神 CS進出最短10・1に決定!原口V撃で単独3位「なんとか矢野監督と先にいけるように」

[ 2022年9月29日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2-1ヤクルト ( 2022年9月28日    神宮 )

<ヤ・神>ファンの声援にこたえる原口(撮影・大森 寛明)
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 執念の一撃が、望みをつないだ。阪神は28日のヤクルト戦に勝利し、単独3位に浮上。5番・原口文仁内野手(30)が同点の8回2死二塁から決勝の左前適時打を放った。クライマックスシリーズ(CS)進出を争う4位・巨人、5位・広島に対して大きな重圧をかけるとともに、優位に立つ3連勝。「10・2」の本拠地最終戦を残すのみの猛虎に、希望の光が見えてきた。

 バットを短く持ち、小さく構えた原口は、コンパクトに振り抜いた。その打球には、ベンチ、そして虎党の希望が満ちていた。

 「少ないチャンスで最後、集中して打席に入りました。チーム一丸で束になって“絶対に勝つ”という気持ちで挑んでいる。勝利に結びついて本当に良かった」

 同点で迎えた8回2死二塁。右腕・清水の前に2球で追い込まれたが、そこからが原口の真骨頂だった。ポイントを近くして3球連続でボールを見極め、フルカウントに持ち込む。さらに2球連続で直球をカットし、相手の隙を待った。そして8球目。我慢比べを制した。外角低めのカーブに踏み込み、仕留めた。鋭く左前に運ぶ適時打。待望の決勝点をたたき出した。

 初回に中野の先頭打者弾で先制したが、2回以降は毎回のように走者を出しながら追加点が奪えない。1点を争う緊迫した展開のまま終盤を迎えた。その状況を打破したのは、「執念」を体現するかのような背番号94の一撃。「自分の中で、できる準備と集中力、それをしっかり保ちながら、追い込まれてからも(対応)できた」。その1打席にすべてを凝縮し、結果に結び付けてみせた。

 今季限りで退任する矢野監督に最高の花道を――。矢野政権初年度の19年1月に大腸がんが判明。闘病生活を強いられたが、そこから驚異の回復を見せ、同年6月に1軍復帰。そして同9日の日本ハム戦で9回にサヨナラ打を放ち、指揮官を泣かせたこともあった。同じ捕手で、常に自身を気にかけてくれた矢野監督を喜ばせるためにも、最後まで集中力を研ぎ澄ましていく。

 「もう1つ勝てば先の戦いに進めると思うので、1つ勝ってからのことですけど、なんとか(矢野監督と)先にいけるように頑張りたい」

 この夜も指揮官の口から「しぶといバッティング、最高でした」と賛辞を引き出した。目下5試合連続安打、3試合連続打点と最終盤で存在感が際立つ。残すは10月2日、今季最終戦のヤクルト戦のみ。原口は「目の前の1試合を勝ちたいと思います」と一戦必勝を誓った。(長谷川 凡記)

 《CS進出へがぜん有利》阪神はヤクルトに勝って、17日以来の単独3位。10月2日ヤクルトとの最終戦を残して、CS進出へがぜん有利な状況となった。進出決定は最短で10月1日。広島が29日からのヤクルト2連戦に未勝利(=2分け以下)なら3位争いから脱落。残る巨人が1日のDeNA戦に敗れれば、最終勝率で阪神を上回ることができなくなり、同率でも直接対決で勝ち越した阪神が上位で、CSも3位進出する。

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2022年9月29日のニュース