西武 今井でCS王手!1カ月ぶり復帰登板で8回無失点5勝目 29日楽天敗れれば3位確定

[ 2022年9月29日 05:30 ]

パ・リーグ   西武1―0楽天 ( 2022年9月28日    楽天生命 )

<楽・西>3回、浅村を空振り三振に仕留め雄叫びを上げる今井(撮影・尾崎 有希)
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 クライマックスシリーズ(CS)進出へ“マジック1”だ。3位の西武は今井達也投手(24)が28日、楽天戦で8回4安打無失点の快投。1―0の勝利に貢献する5勝目を挙げ、チームは4連勝。今季最後の対戦だった4位・楽天とはこれで1・5ゲーム差。残り2試合で1勝、もしくは楽天が1敗すれば3位が確定するため、最短で29日にもCS進出が決まる。

 投てき動作のようにぶん投げた。今井は今春キャンプで「やり投げトレ」を導入し、大一番で生かした。8回にこの日最速タイの155キロをマークし、最後は浅村に6球連続直球で見逃し三振。123球を投げて吠えた。

 「投げられない時期が凄く悔しかった。緊張感を持って勝負を楽しめたらなと思った」

 投げ出すことはしなかった。開幕直前に右内転筋の張り。4月に左足首を捻挫。7月に初登板も、疲労で8月26日の登板後、1カ月間離脱して迎えた復帰登板だった。その間にへんとうが腫れ、39・5度の熱が3日間続き5日間も寝込んだ。「小学校以来の高熱。喉も痛くて食べるのもしんどくて水分だけだった」。緩んだ筋肉と体力を取り戻す突貫工事をして間に合わせた。

 辻監督もさじを投げなかった。楽天とのCS争い直接対決に、あえて今井の復帰登板をぶつけた。制球難で大崩れすることもある「もろ刃の剣」だが、作新学院で16年夏の甲子園を制した右腕の勝負強さにかけた。「メタメタに崩れるかもしれないが、俺は抑える方にかけた」という期待に応えて、1点を守り切った。

 投げ合ったのは新旧の背番号「11」。FA移籍した岸が、自身の入団前年までつけた番号を引き継いでいる。端正な顔立ちとモデル体形の長い足も似る2人の、息をのむ投手戦だった。変化球主体で7回まで直球はわずか33%。それが最後の8回は、16球中半数を超える9球まで増やし「ゼロで抑えることが仕事」とねじ伏せた。

 登板日は意外な形で知った。休養日だった23日。インターネットのニュースが目に飛び込んできた。SNSが身近な世代は辻監督からの間接的なコメントを読むことで燃え、4連勝に導いた。残り2試合。勝つか、楽天が負ければ3位が確定する。「シーズンで投げられないことが多かったのでCSに出て挽回したい」。今井の逆襲はこれからだ。(神田 佑)

 《勝率が同率なら当該球団間の対戦成績で順位決定》パの順位は勝率によって決定し、同率球団が生まれた場合は、当該球団間の対戦成績で順位を決める。そのため、西武と楽天が最終成績で同率となった場合は、このカードを15勝9敗1分けで勝ち越している西武が上位となる。なお、この日の結果、西武のCSクリンチナンバーは1に減り、楽天の自力CSの可能性が消滅。楽天が29日のソフトバンク戦で敗れると、試合のない西武のCS進出が決まる。

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