ロッテ、サヨナラで突破王手!佐々木朗希が6回10K大仕事、ポストS最年少20歳0カ月で2桁奪三振

[ 2021年11月7日 05:30 ]

パCSファーストS第1戦   ロッテ5―4楽天 ( 2021年11月6日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>初回2死、浅村から三振を奪いほえる佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 20歳の大仕事だ。プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は6日、セ、パ両リーグのファーストステージ(S)が開幕し、パはレギュラーシーズン2位のロッテが同3位の楽天にサヨナラ勝ち。佐々木朗希投手(20)が6回4安打1失点、10奪三振と好投し、打線の奮起を呼んだ。ファーストSは3試合制で行われ、ロッテは7日の第2戦で勝つか引き分けるとファイナルS進出が決まる。

 ヒーローは誰か。代打・佐藤都の劇打も、エチェバリアの同点弾も素晴らしいが、佐々木朗の快投がなければ、初戦を制することはできなかった。

 試合後の会見。冒頭でサヨナラのシーンを質問された井口監督が「まずはその前に、朗希がしっかりと試合をつくってくれた」と、自ら切り出すほどだった。20歳3日で大役を務めた2年目右腕の投球。それだけの価値とインパクトがあった。

 「初戦が大事だと思った。そこまで特別な感じはなかったけど、球場の雰囲気はもの凄く緊張感があった」

 佐々木朗は初回から飛ばした。1死から岡島への3球目に、プロ入り後の公式戦で自己最速となる159キロを計測すると、続く浅村には1ボール1ストライクから2球連続で外角低めへ159キロ。見逃し三振に斬った。

 この日の浅村との勝負は3打席連続三振と圧倒。160キロの大台に1キロと迫ったが、「いつもと同じ感覚だった。今日はネット裏のスピードガンでは(160キロも)出ていたし、そこは求めるところじゃないので」と言うから末恐ろしい。全96球中、63球を数えた直球はオール150キロ超え。平均は約155キロで、シーズン平均より約3キロも速かった。

 6回4安打1失点。2回には投ゴロを自ら一塁へ悪送球し先制点を許しても、慌てなかった。直球が走るからフォークも生きる。CS史上最年少で2桁10奪三振。7個をフォークで記録した。

 ZOZOマリンとは深い縁がある。小6だった朗希少年は、東日本大震災で被災した岩手県沿岸部の子供たちに夢を与え よう と開 催された親善試合に出場し「1回ぐらいだけど」と投手も務めた。その3年前の10年には家族でディズニーランドを訪れ、帰りに球場を訪問。ちょうどシーズン3位から日本一に輝いたパレードの日で、看板選手だった西岡剛のグッズも購入した。

 そんな少年が成長し、11年前の「下克上」を再現しようとしている。「ファンの声援は凄く力になった」。中継ぎ陣が打たれ、9度目の本拠地登板も自身の白星はつかず。ホームで勝利投手の権利を得ながら降板したのは4度目。CS史上最年少勝ち投手も逃したが、誰もが認める勝利の立役者だ。「初戦でこういう投球ができる。そういう星の下に生まれてきたと思う。エースに近い投球だった」。ファイナルS進出へ王手。指揮官の言葉は称賛を超えていた。(横市 勇)

 ≪06年のダル超え≫佐々木朗(ロ)が6回を投げ10奪三振。プレーオフ、CSの2桁奪三振は19年ファイナルS第3戦で千賀(ソ)が10奪三振して以来10人目、14度目。20歳0カ月での達成は06年第2S第1戦のダルビッシュ(日=11奪三振)の20歳1カ月を抜く最年少記録だ。なお、日本シリーズ最年少は57年第1戦の稲尾和久(西鉄=11奪三振)で20歳4カ月。佐々木朗の20歳0カ月はポストシーズン最年少記録にもなった。

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