明秀学園日立の主将・石川ケニー ハワイ出身のバイリンガルがサーフィンで掴んだ“ステキなタイミング”

[ 2021年11月7日 21:41 ]

秋季高校野球関東大会 決勝   明秀学園日立9―7山梨学院 ( 2021年11月7日    J:COMスタジアム土浦 )

右越えソロを含む2安打を放った石川ケニー(撮影・柳内 遼平)
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 第74回秋季高校野球関東大会は7日、J:COMスタジアム土浦で決勝が行われた。明秀学園日立(茨城1位)は、山梨学院(山梨1位)を9―7で下し、初優勝。明治神宮大会(20日開幕、神宮)の出場権を獲得した。ハワイ・オアフ島生まれの石川ケニー主将(2年)は「3番・右翼」で一発を含む2安打の活躍を見せた。

 タイミングはバッチリだった。2点を追う5回の先頭。左打席に入った石川は変化球を狙った。「前の打席で真っすぐを捉えていた。初球に変化球が来ると思った」。初球の内角低めスライダーを引っ張ると、白球は45度の角度で舞い上がり、右翼フェンスを軽々と越えた。

 球場の雰囲気を変える一撃でチームは勢いづいた。1死後に5番・猪俣駿太(2年)の中越え本塁打で同点。6回は勝ち越しに成功し、7回は2点を奪ってリードを広げた。両軍合わせて30安打の乱打戦を制して初優勝を飾った主将は「優勝できたのでほっとしています」と笑顔を輝かせた。 

 小2まではハワイ・オアフ島のマノアで育った。美しい砂浜でサーフィンをしたことが思い出。子どもながらに「(大事なのは)タイミング。波が来たと同時に立つ感じ」と波を操るコツを体で覚えた。日本に帰国後、小4から始めた野球。強豪・青森山田やハワイの独立リーグでプレーした父・則良(のりき)さんからの熱血指導もあり、才能は花開いた。今や、打てば高校通算17本塁打、投げれば左腕から最速140キロ超えの直球を繰り出す二刀流だ。

 実家に帰省した際は、母・デニースさんが振る舞うハワイ料理・ポキ丼で故郷をなつかしむ。英語と日本語を話すバイリンガルはもう、サーフィンをやっていない。「野球を始めてからはケガをすると危ない」と、もっと大切なモノができた。
  
 明治神宮大会の初戦は21日に広陵(広島)と激突。「全員で打って勝っていきたい」と石川。神宮の舞台でも「強打の明秀」を見せつける。(柳内 遼平)

 ◇石川 ケニー(いしかわ・けにー)2004年(平16)4月7日生まれ、神奈川県横浜市出身の17歳。小4で野球を始め、横浜市立原中では瀬谷シニアでプレー。明秀学園日立では1年秋からベンチ入りし、レギュラーを獲得。50メートル走6秒5。遠投100メートル。球種は直球、スライダー、カーブ、カット、スプリット。憧れの投手はオリックス・宮城。1メートル76、75キロ。左投げ左打ち。

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