阪神崖っ縁 CS初戦黒星は突破率0% 大山に救世主の期待 矢野監督「もちろん、あります」先発復帰示唆

[ 2021年11月7日 05:30 ]

セCSファーストS第1戦   阪神0ー4巨人 ( 2021年11月6日    甲子園 )

<神・巨(1)>巨人ナインが勝利のタッチを交わす中、ファンへのあいさつにグラウンドに出る矢野監督(撮影・北條 貴史)
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 セはレギュラーシーズン2位の阪神が同3位の巨人との第1戦に敗れた。攻撃陣が振るわず5安打で零敗。7日に敗退の窮地に追い込まれた。矢野燿大監督(52)は9回に代打で安打を放った大山悠輔内野手(26)の先発起用を示唆し、逆襲を期した。

 4点を追う9回2死満塁。原口の痛烈なライナーは不運にも三塁手・広岡の正面を突いた。最後まで本塁は遠く、本拠地・甲子園で痛恨の零敗。後がなくなった矢野監督は、悔しさを押し殺しながら振り返った。

 「やっぱり点を取らないと勝てない。そこは一番、負けた原因かなと思います。(9回の粘りにも)結果は結果なんで。受け止めています」

 菅野の壁を破れなかった。先発9人のうち7人が左打ち。今季対戦打率・500を誇った近本ら好相性の打者を並べても、初回から150キロ超を連発するなどトップギアで入って来た難敵に主導権を握られ、4回まで1人の走者も出せなかった。0―3の6回2死二、三塁の最大の好機では頼みの近本が遊飛に倒れ、7回2安打に封じられた。

 「全力で初回から来ている感じで、いつもよりストレートにも力があった。そういうところで打者陣もちょっと苦しんだかな…」

 先制された直後の5回には先頭のマルテがチーム初安打となる左前打。反撃開始と思われたが、続く糸原の打席で1ボールからの2球目で仕掛けたヒットエンドランを読まれた。大きく外されたボールに糸原はスイングできず、スタートを切っていたマルテは盗塁死。「あれを外すということは何か根拠が…。かなり高い確率でなければ外せないと思うんでね。こっちとして対策していきます」と厳しい表情だった。

 阪神がCSファーストSの初戦を落とした過去5回は、いずれもステージ敗退という負のデータが残る。だが、過去は過去。7日の第2戦を取れば、第3戦は引き分けでも突破できる。

 救世主の期待がかかるのが、9回2死一塁から代打で出場し、意地の左前打を放った大山だ。菅野との相性で無念の先発落ちとなったが、今季の打線の中心はやはり背番号3だ。第2戦の先発は左腕の高橋。矢野監督も「もちろん、あります」と先発復帰を示唆し、「勝って次にどう持ち込むか。それだけ考えてやっていきたい」と前を向いた。負ければ完全終戦。主将の大山を先頭に全員で戦い抜いてきた1年間の集大成を見せずには終われない。(山添 晴治)

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