赤星憲広氏 エンドラン読み切られた…阪神は巨人・小林のリードに完敗 近本封じられた徹底した内角攻め

[ 2021年11月7日 05:30 ]

セCSファーストS第1戦   阪神0ー4巨人 ( 2021年11月6日    甲子園 )

赤星憲広氏
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 【赤星憲広 視点】阪神は小林のリードにやられた。両先発の前半4回まで投球を見ていたら間違いなく1点勝負。巨人は5回先頭の丸が二塁内野安打で出ると、ウィーラーが送りバント。中島、吉川とつながり1点を先制した。

 その裏、阪神も先頭マルテの左前打で初めて走者を出した。次打者・糸原の1ボールから、おそらくヒットエンドランのサインだったが、小林はこれを読み切って外し、二塁で刺した。2ボールにしてでも、勝負をかけた好判断だった。

 大山と佐藤輝を先発から外した打線を組んでいるのだから、走者を積極的に動かす策は当然。ならば、その糸原が四球を選んで1死一塁とした場面で、もう一度、同じ攻撃を仕掛けてみてもよかったか。この日の菅野には下位打線が普通に打つだけでは得点にはつながりにくく、それくらい思い切って「1点」を狙ってもよかった。

 続く6回も巨人は2死から一、二塁としてウィーラーが中越え2点二塁打。同じように裏の攻撃で阪神は2死二、三塁として最も期待できる近本を迎えたが、ここでも小林の好リードにやられた。

 速球に強い近本に対して真っすぐを4球続けてカウント2―2。しかも、外へ抜けた球もあったが、3球目まではすべて内角要求だった。外角フォークボール(ファウル)を挟み、最後も内角スライダーで遊飛。2打席目までは1球も使わなかった内角を、この打席に限っては徹底して攻めて、今季10打数5安打と分が悪かった近本を抑えた。

 2回2死では同じく相性の良くない木浪に対して3球続けたカーブでカウント1―2へ追い込んでから、真っすぐで一ゴロに打ち取るなど、菅野―小林のバッテリーはレギュラーシーズンとは違うCS用の攻め方をしっかりと練っていた。(スポニチ本紙評論家)

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