内藤雄士の90切りゴルフ【第6回 ボールがつかまる練習法】

[ 2021年5月14日 12:00 ]

内藤雄士コーチ(右)と野田すみれ
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 第6回はボールがつかまらない人への練習法を紹介します。たとえ球筋が安定していても、こすり球では本来の飛距離は稼げません。90切りを目指したいなら、やはりボールをしっかりとつかまえ、ロフト通りの飛距離を打つことを考えるべきです。内藤雄士コーチによれば、ティーを高くしてボールを打つとカット軌道を修正できると言います。ぜひ試してみましょう。アシスタント役を野田すみれさんが務めます。

 内藤 アベレージゴルファーの多くは、トップ・オブ・スイングでの両手の位置が高過ぎます。本来なら体の回転に伴って両手が上がるので、右耳の高さぐらいで十分です。ところが、手を使ってクラブを上げているので頭よりも高く上がってしまいます。その高い位置からクラブを振り下ろすと、アウトサイドインのカット軌道になり、ボールがつかまらず、スライス系の球筋が多く出ます。

 野田 確かに両手の位置が高いとカット軌道になりやすいですね。

 内藤 実は、世界ランキング1位だったグレッグ・ノーマンも一時期、両手の位置が高く、アップライト気味に振っていたことがありました。それで、当時コーチを務めていたブッチ・ハーモンが、ある練習法を紹介したんです。

 野田 どういう練習法ですか?

 内藤 爪先上がりのライからボールを打つことです。1日200球ほど打ったそうですが、このライではボールが足元よりも高い位置にあるので、アップライトの軌道ではボールをうまく捉えることができません。そのため、自然と体の回転に合わせたフラットな軌道でクラブを振るようになります。インサイドアウトの軌道になる分、カット打ちも修正されるわけです。

 野田 一般の練習場だと傾斜のある打席ってありませんよね?

 内藤 その場合は、ティーアップを最も高くしてボールをセットします。ボールが体に近づいた分、クラブを短く持ちます。さらに、上体を軽く起こして前傾角度を浅くして構えます。ポイントはクラブヘッドがティーに触らず、ボールだけをクリーンに打つこと。両手の位置が高いアップライトの軌道ではボールだけをうまく打てません。フラットな軌道を心がけることで、ボールだけをヒットできます。

 野田 インサイドからクラブを下ろして、ボールを払うイメージで打てばいいんですね?

 内藤 そういうことです。ボールを数多く打つうちに、どこに両手が上がっているのかが分かってくると思います。あとはそのイメージを持ったまま、ティーアップの高さを通常に戻して打ってみましょう。ボールがつかまらなくなったと思ったら、ハイティーアップの練習に戻ります。

 野田 つかまるようになると、ドロー系のボールが出るのが正解ですか?

 内藤 その通りです。したがって、野田さんのように、最初からドロー系のボールが持ち球の人にはこの練習は勧めません。あくまでもスライスやプッシュアウトが出る人が対象です。あとはダウンスイングで上体が目標方向に突っ込みがちで、ミート率が低い人にも有効です。

(取材協力・千葉国際カントリークラブ【PGM】)


 ◆内藤 雄士(ないとう・ゆうじ)1969年(昭44)9月18日生まれ、東京都出身の51歳。日大ゴルフ部出身。米サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学び、98年からプロを教えるプロコーチとして活躍。丸山茂樹の米ツアー優勝に貢献し、矢野東、谷原秀人ら多くのトッププロを指導。

 ◆野田 すみれ(のだ・すみれ)1999年(平11)2月8日生まれ、東京都出身の22歳。日本女子大卒。3歳でゴルフを始め世界ジュニアの日本代表に10年から3度選出。11年にハワイ・パールオープン・ジュニアで優勝。1メートル57。

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