神戸製鋼・山中 茶髪を一喝してくれた五郎丸先輩へ“感謝”のトライ 23年W杯も「15」で恩返しだ

[ 2021年4月25日 05:30 ]

ラグビートップリーグプレーオフトーナメント2回戦   神戸製鋼50-17三菱重工相模原 ( 2021年4月24日    花園 )

<ラグビートップリーグプレーオフトーナメント2回戦 神戸製鋼・三菱重工相模原>後半 ボールを手に前進をはかる神戸製鋼・山中 (撮影・奥 調)
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 2回戦4試合が各地であり、神戸製鋼は三菱重工相模原から後半に5トライを奪って突き放し、50―17で8強を決めた。FB山中亮平(32)は、この日で現役生活の幕を下ろした早大とジャパンの「15番」の先輩、ヤマハ発動機の五郎丸歩(35)へ、感謝の1トライ。19年大会に続く日本代表入りへの思いも口にした。

 FB山中が重いムードを振り払った。後半開始1分、三菱重工相模原のキックを自陣10メートルライン付近からカウンター。前方で相手と味方が交錯して道が開ける幸運もあって、左サイドを切り裂いた。WTBモエアキオラにラストパス。エンドが変わってからの最初のトライに導き、神戸製鋼に勢いをもたらした。

 「ハーフタイムで自分たちのラグビーができていないという話になった。カウンターを仕掛けたいと思っていた状況で、スペースを突けたのは良かった」

 7―0の前半14分には鮮やかなトライを挙げた。味方がボールを奪った直後、最後方から駆け上がって攻撃参加し、35メートルを走り切った。19年W杯で世界から注目されたキック力でも地域挽回に貢献した。リーグ戦で別組7位だった相手の守備に手を焼き、チームは前半ミスを連発。よもやの接戦を強いられた中で輝いていた。

 早大の3学年先輩、ヤマハ発動機の五郎丸がこの日で引退した。大学入寮の初日、茶髪を一喝されて即日、黒に戻したのは有名な話。ムチだけでなく、「好きなようにプレーしていいと言われた。凄く感謝している」と、成長を後押ししてくれた。区切りを迎えた恩人に、「お疲れさまという思いです」と、心の中で敬礼をした。

 12日に発表された日本代表候補52人に選出された。五郎丸先輩が15年W杯で付けた「15番」を、再び23年で背負うべく、「チームのためにやるべきことをやれば代表に入れる」と強い思いを持つ。準々決勝はヤマハを破ったクボタ(5月9日、エコパ)。勝利で、自身の未来も切り開く。

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