川淵氏に聞く「成功に向けて努力」「森さんの発言が日本変えるきっかけに」

[ 2021年2月12日 05:30 ]

東京五輪・パラリンピック組織委員会 森喜朗会長辞任 後任に川淵三郎氏決定的

自宅前で報道陣の質問に答える川淵氏(撮影・河野 光希)
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 【川淵氏と一問一答】

 ――会長職に前向きか?
 「前向きにならざるを得ない。森さんがああいう状況で」

 ――森会長とは話したのか?
 「1時間くらい話した。僕が引き受ける引き受けないということよりも、全部、外堀を埋められていた感じがあって。もう、森さんの意向に反して勘弁してくれとは、その話の中では言えない状況だった。気の毒で。残りわずかなところで退任されるのは自分としても残念だと思うんだよね。でも、もうほとんど準備整っていて、残りはまあ観客動員どうするかとか、外国の観客をどうするかとか、感染の防疫体制、観客をどう入れるかとか、問題として検討しないとならない数は限られている、その中でならまあ、何とかやれるかなって」

 ――どういったところで力を発揮する?
 「いずれにせよ、成功に向けて努力する。今、開催できるかすら、明確ではない。日本で開催する大前提は、今の感染状況を悪化させない、少なくとも、その時の感染状況のままで五輪を開催できたら、それは成功と言えるよね。ただ、開催して感染状況が物凄い悪化したら、なんで五輪こういう時になるんだって話になっちゃうんで。それを避けるためにどういう施策が必要なのかってことは今度の五輪開催の一番の問題だと思う」

 ――多様性については?
 「女性のいろんな理事をどう増やしていくか。今回、森さん1人がそういっておかしいというんじゃなくて、僕らの年代含めてだけど、多様性っていうか、女性の差別化というものは当たり前のように今まできているからね。せっかくこういった大問題が起きたんだから、これをきっかけに日本の女性、ダイバーシティ、ジェンダー、そういうことに対してみんなが前向きに捉えていくことが一番大事で。森さんのああいう発言も、日本を変えるきっかけになったと言えるんじゃないの」

 ――菅首相が(後任は)女性がいいと言ったのは森氏から聞いたのか?
 「そうそうそう。俺が言っていいのか分からないよな。でもそれは真っ当な。みんなが思うのは、森さんが83で俺が84。またお年寄りか、と言われるのは一番不愉快なんだよな。年寄りだろうが何だろうが、若いヤツなんかに負けないくらいのことをやれるぞと。そのくらいのことは言いたいけど、そんなことは口が裂けても言うなよと、家族から言われているから。菅さんがもっと若い人をというのは、当然の話だと思うね。そうだ、バッハ会長なんかは“女性の会長と(森会長を)並列にしたらどうか”と言ったみたいだよ。並列でやることほど、くだらないことはないね。だから、森さんはそういうことを物凄く事細かく。そういう人なんだ。いろんな人の意見を聞いて、川淵でいこうと言っていたんでね。僕としても残る人生のベストを尽くしたいなと。もう期間的には1年ないんだから。そういう意味では気持ちが少し楽だ」

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2021年2月12日のニュース