IOC、五輪全選手ワクチン接種へ WHOに“働き掛け” バッハ会長は無観客に言及

[ 2021年1月24日 05:30 ]

IOCのバッハ会長(AP)
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 国際オリンピック委員会(IOC)が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止危機が報じられる東京五輪・パラリンピックの開催のため、出場全選手へのワクチン接種を検討中と英紙テレグラフが22日に報じた。世界保健機関(WHO)が主導し、発展途上国にもワクチン供給を目指す枠組み「COVAX(コバックス)」と協議を進めているという。

 ワクチン接種に関しては昨年11月、IOCのトーマス・バッハ会長が来日時に意欲を示していた。今回の報道では、ワクチンが行き届いていない国・地域への供給に重点を置き、選手が高齢者などより優先されることはないという関係者の話も伝えられた。しかし、副作用への懸念など拒否反応を示す選手も少なくないとみられており、国や地域で異なる状況下で選手の“横入り”は本当に起こらないのかは疑問だ。

 さらに、テレグラフ紙によれば、パラ競泳女子で世界選手権優勝の実績を誇る英国のタリー・カーニー(23)は「一部の人が競技できるようにするよりも世界や国の健康の方が大事」と指摘。限られた時間で接種可能な環境を整え、選手を納得させられる材料がそろわなければ、全選手への接種が困難を伴うことは間違いない。

 21、22日に206カ国・地域の国内オリンピック委員会などと意見交換したバッハ会長は東京五輪開幕まで半年となる23日を前にメッセージ動画を公開。「(感染)状況への対処で必要な手段を適切な時期に決める。それは観客の問題にも及ぶ。何人か、観客は入れられるのか」とし、これまで否定的だった無観客開催も選択肢になり得るとの認識を示した。五輪開催へなりふり構わないIOCの姿勢が浮かび上がってきた。

 ≪WHO「開催の是非については決定しない」≫WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏は22日、東京五輪開催の是非は「科学的な根拠や、その時点での危険性に基づき、決断しなくてはならない」と述べ、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むことが「五輪開催に向けた最善の道」と訴えた。変異種の感染拡大などで不透明感が増し、五輪開催を「誰もが若干恐れているということは承知している」と指摘。WHOはIOCや日本政府に対し、公衆衛生の観点から助言するものの「WHOは五輪開催の是非について決定したり(結論に向けた)調停を行ったりすることはない」と意思決定を下す当事者ではないことを改めて強調した。

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