【立花泰則の目】体操男子 Eスコア中心とした苦手種目の強化急務

[ 2018年11月2日 08:30 ]

体操世界選手権第7日 ( 2018年10月31日    カタール・ドーハ )

男子個人総合決勝ですべての演技を終え、さえない表情の白井
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 ロシアと中国は世代交代をしながら高難度の技を詰め込み、失敗に泣いてきた過去があったが、東京五輪への強化が実を結びつつあるという印象だ。萱選手も白井選手も、今できる演技構成でベストを尽くしてくれた。日本が弱くなったわけではない。ロシアと中国の成長曲線が、日本よりも急だと感じている。

 今後は得意種目はDスコアもEスコアも追い求め、苦手種目はEスコアを中心に底上げする必要がある。白井選手はこれまで床運動と跳馬でアドバンテージがあったが、今大会は2種目ともトップとはいえ、ライバルに明確な差をつけられなかった。武器は磨く一方、Eスコアが7点台だったあん馬、つり輪の強化は急務だ。

 世界トップに近づくためには何が必要か、選手は肌感覚で分かったのではないだろうか。内村選手ら、今大会の代表が中心になって加藤選手や野々村選手の世代、谷川翔選手ら若い世代と切磋琢磨(せっさたくま)し、国内競争力を高めてほしい。(12年ロンドン五輪男子監督)

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2018年11月2日のニュース