石川佳純 不屈4強!2大会連続メダル王手 欲しいのは「金」

[ 2016年8月15日 05:30 ]

リオ五輪<卓球・女子団体 準々決勝>第2試合を制し、ガッツポーズする石川

リオデジャネイロ五輪・卓球 女子団体 準々決勝

(8月13日 リオ中央体育館)
 連続メダルへ、あと1つ。男女の団体戦が行われ、12年ロンドン五輪銀メダルの女子は準々決勝でオーストリアを3―0で退け、4強入りした。14日(日本時間15日午前7時半)の準決勝は強敵ドイツと対戦する。エース石川佳純(23=全農)は相手エースを3―1で粉砕。シングルスで初戦敗退したが、団体戦2日連続の勝利で悪夢からの立ち直りを印象付けた。男子は1回戦でポーランドを下して8強入り。14日(同15日午前3時)の準々決勝で香港と戦う。

 傷は完全に癒えた。石川のプレーに思い切りが出てきた。団体戦準々決勝は2番手で登場。オーストリアのエースで世界ランキング25位のリュウをねじ伏せた。

 「簡単に勝てるとは思っていない。焦らずにすることができた。練習してきたことをしっかり出せたのでうれしい」

 第1ゲームを5―11で失い、作戦を切り替えた。34歳のベテランのフォア側の技術がさえていると感じ、サーブを入れる方向、回転を絞らせないようにした。2ゲーム目以降は危なげなく3連続で試合を決めた。

 シングルスは悪夢の初戦敗退。右脚けいれんのアクシデントもあって、銅メダルを獲得した北朝鮮のキム・ソンイに敗れた。精神面を心配していた村上恭和監督は、敗戦2日後に明るく振る舞う様子を見て安どした。

 「脚じゃなくて肩が痛いとおどけていた。ケロッとしていたよ」

 負けた後こそ、シングルス4位だったロンドン五輪から一番変わったことだろう。以前は引きこもり。今は違う。

 「前は一歩も出ません、誰とも話しませんという感じだった。今は反省をしっかりしたら、観光をしたり、散歩をしたり、買い物をしたり」

 3月にカタールオープンに出場した際は、負けた後に映画館に飾ってあったバットマンと記念撮影をした。その写真はスマホに入っている。日頃から敗戦後の対処法を考えて過ごしてきた。前日の1回戦に続く連勝。敗戦から切り替えは完了した。

 準決勝はドイツと対戦。3月の世界選手権団体戦は1勝1敗だったがメンバーが2人替わって強くなっている。「初心を忘れず挑戦者の気持ちでぶつかりたい」。これまで世界大会で獲得したメダルは紙袋にまとめて山口県の実家に置いてある。見返すこともないという理由は「銀メダルばかり」だからだ。特別な1個を手に入れるためにも、まだ負けられない。

 ▼石川のシングルス 初戦となる3回戦で北朝鮮のカット型、キム・ソンイと対戦した。快調なペースで先に2ゲームを先取しながらも、フルゲームの末に敗れた。勢いに乗ったキムは銅メダル

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2016年8月15日のニュース