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“ツ抜け”クロムツで竿納め 追い食い狙ったデッドスローの巻き上げが功を奏した

[ 2021年12月25日 07:18 ]

筆者の竿にアカムツが来た
Photo By スポニチ

 【ココが一番!】竿納め。ここは一番「外れなし」の魚で締めくくりたいもの。で、狙ったのが真鶴沖のクロムツ。30~35センチの良型がそろう。多くの人が“ツ抜け”(10匹超え)して、オマケにアカムツも。迎える新春の初釣りターゲットにもお薦めだ。(スポニチAPC・林 悠二)

 「真鶴地区にも根魚ポイントはいっぱい。特にクロムツは順調です」――明るい表情で話すのは、福浦・よしひさ丸の高橋勝久船長。

 例年、初島沖を狙ってきたが、漁業協定で今季から神奈川県船籍は入れないことに。しかし、初島沖の向こうを張り、狙う真鶴沖で好釣果が続いている。クロムツが主体。これに小型ながらキンメダイなど、多彩なゲストが入り交じるのも魅力だ。

 片舷3人ずつ、ゆったりとした船上。船長合図で両舷のミヨシから間を置き、順に仕掛けを投入。右舷トモの筆者は最後の3番目。

 「タナは底上3~5メートル。根掛かりに注意して」「当たったら少しずつ巻いて追い食いをさせてね」と船長。

 紅染めのイカ短を餌に、船縁に10本並べた仕掛けを250号のオモリで投入。この日の第1投は、竿先がかすんで見える日の出前。

 「早朝の2、3流しは数釣りチャンスです」(船長)。アナウンスが終わらないうち、左隣の2人に当たりが出た。深場を想定していたら、何と100メートルでの着底。早朝は浅場に群れているらしい。

 ほどなく筆者の竿先にも力強い魚信が…。追い食いを狙いデッドスロー(超低速)で巻き上げを開始する。

 この緩い巻き上げが功を奏したか、一つまた一つと魚信が増えていく。初回はいぶし銀のクロムツ2匹と、キンメ2匹の4点掛けだ。

 好ポイントが点在するのか、移動のたびに魚信が。明るくなるにつれて深くなって230メートルダチも探る。

 ミヨシでは八王子市の平和男さん(67=会社員)が順調に数を伸ばしている。下バリ3本は持参したサバの切り身餌。良型ムツと50センチ級のクロシビカマスの一荷もあった。

 「ムツが釣りたかったんです。必ず釣れます」と誘われて今季初の釣行とか。日ごろ狙うマダイは自分だけ肩透かしが続き、験直しのチャレンジが好結果に。

 多点掛けこそなかった筆者も、本命が2、1、3、2匹と順調。ムツだから六つでいいと思っていたら、最後の流しで3匹追加し11匹。中盤、30センチ級ながら時折交じるというアカムツもゲット。思いもよらぬ高級魚との出合いだ。「(運)持ってますね」。船長らに祝福されての竿納めに。

 有終の美を飾ることができたクロムツ&キンメ乗合は3月末まで続く。

 ◯…良型の3点掛けにほほ笑むのは、南足柄市の鈴木康直さん(56=会社員)。「コロナ禍で長い間足止め。久々の釣りですが、鬱憤(うっぷん)が晴らせました」。聞けば「これから午後船でカワハギも狙うんです」。そう、ハシゴ。釣り三昧(ざんまい)の一日を楽しむようだ。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、福浦・よしひさ丸=(電)0465(63)3884。乗合は福浦港に午前5時20分集合。料金は餌と氷付き1万円。仕掛け1組1000円。予約制。毎週木、日曜はベニアコウ船あり。真鶴・国敏丸でも乗合出船中。

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