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奇跡の“潜水竿”救出劇!! 同舟のよしみ!? 心の“豊漁”

[ 2021年11月23日 07:13 ]

心優しい竿頭、周防さん                               
Photo By スポニチ

 【実釣見分】スミイカ狙いで南六郷・ミナミに出掛けた。泳がせとのダブル作戦は正直苦戦。しかし、三題噺(ばなし)ではないけれど同舟のよしみを超える心の“豊漁”見分だった。(スポニチAPC 町田 孟)

 【その1】試したい餌木があった。背中にサメの身餌などをくくり付ける現代版テンヤ。アカイカなどでは必須アイテムだ。持参したイワシの切り身で試した。ただただ時間が過ぎていく。と、足元にハゼが流れてきた。出港前に生き餌にと誰かが釣ったのだろう、ありがたく保護。

 空振りが続く。昼も過ぎて後半戦。反対側の左舷は順調そうだ。大ドモの周防宗治さん(42=大田区)は既に4匹をゲットしていた。様子を聞いてみた。「潮ケツなんでこれを使ってます」。手にした餌木はあの餌巻きだ。背中にはハゼ。「身餌なんで少しくらい遅い反応でも大丈夫」。すると竿の先がクンクン。

 そそくさと席に戻る。天恵とも言えるハゼをもどかしげに巻き付け15分もたっただろうか。わずかに竿先が変化した。「乗った!」。柄にもなく声が出た。300グラムの平均サイズでも喜びの大きさはキロ級だ。ハートフルな手練(てだ)れ、周防さんは「8匹」で竿頭。

 【その2】船中33匹。安達任伯船長のメモを見ると左舷が27匹で右舷はベテランがいたにもかかわらず6匹。かつてアマダイでも「また左舷で出ました」を聞かされうんざりしたことがある。原因不明右舷左舷の不思議現象。船釣りあるあるの不運な日だった。

 【その3】海中に落とした竿をタコテンヤで釣り上げる“奇跡”ドジは私め。出発前に立ちながら支度をしていた。迂闊(うかつ)にも手元を狂わせ竿がポチャン。道糸をつかんでいたがリールはフリーで海底に一直線。急ぎ貸し竿に糸を結び巻き上げてきた。ところが何の因果かリールへの結びがほどけて糸だけ残して目の前で再び海中へ。さあそこからが大騒ぎ。潮は満ちていて3メートル以上。お隣さんは餌木を落としてくれたが手応えはなし。そこへ「これならどうだ」。常連の林洋孝さん(78=大田区)がタコテンヤを用意してくれた。が、水は濁っていて暗中模索状態だ。選手交代。友人の佐藤仁章さん(69=大田区、写真)が真剣な表情で粘る。20分以上が過ぎ出船も迫っていた。当の本人が諦めた時「おっ重い」の声。手繰り上げたテンヤに見事リールが引っかかっているではないか。この“潜水竿”が浮上しなければオデコだった。神様、仏様、佐藤様。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、南六郷・ミナミ=(電)03(3738)2639。釣り物、出船時間などは要確認。

 ○…石渡昇さん(66=川崎市)は船中唯一の高級外道ヒラメを仕留めた。「マゴチ用に似た独自の仕掛けにハゼをつけて狙った」。釣り歴は「20年」。週イチで腕を磨いている。スミイカは6匹で両手に“花”。

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