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初心者フライフィッシャーに最適「感じる当たり」を楽しもう

[ 2021年2月21日 07:17 ]

フライで釣り上げたニジマスを手に笑顔の筆者
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】フライフィッシングを始める動機として、映画「リバー・ランズ・スルー・イット」に出演している若きブラッド・ピットがカッコよくフライを投げているのを見たからという方も多くいます。

 とりあえずフライの道具を買って現地へ行き、適当なキャスティングをしても、管釣りのルアーにスレたマスはフライに簡単に掛かってきます。

 魚がハリに食いついたことを「当たり」と言いますが、それが分からないと今度は合わせができません。餌釣りならそのままのみ込まれて「掛かっていた」ということもあろうかと思いますが、フライは偽物なので合わせないと掛かりません。

 その当たりですが、見えるか、感じるかの2通りです。見える方は前述のウキが引き込まれるあるいは、フライそのものに食いつくのが見えるということです。感じる当たりは「ググッ」と来るというやつです。魚がフライに食いついた時、ラインを張っているので伝わってくるのです。中には「コツン」と微小で分からなかったり、ラインを引いているときにカウンターパンチのようにグーンと向こう合わせになって掛かることもあります。

 水中に沈めて釣る場合は、釣るための目的でつけているウキ釣りとは異なり、フライフィッシングらしさも出るというものです。湖や河川で釣る場合はほとんどが、投げて沈めて引く(リトリーブ)か投げて扇状に流して(スイング)釣るので、その最中にもドキドキするわけです。

 初心者にとってこの感じる当たりを察知し合わせることは練習によって上達できます。 今回、訪れた中津川フィッシングフィールド(神奈川県愛甲郡愛川町)はそれに最適でした。ウキをつけなくても、ウエットフライを投げて引いてくれば、「コツンコツン」「ブルンブルン」と頻繁に当たるからです。

 受付で3時間券を申し込むと「3時間券はお持ち帰り10匹までです」と言われたので「それだけ釣れればいいね」ぐらいに思っていました。

 池の端に降りるとあちこちで魚が掛かっています。釣れている人に聞いてみると「小さいのがたくさん掛かりますよ」とのことでした。流れ込みと流れ出しはルアーの人で混んでいたので、空いている真ん中あたりに入りました。実際に釣りを開始してみると、1投目からヒットがありました。キャストして、フライを水になじませ、引いた途端に「ブルン」です。

 1投目から毎回当たりがあって、ラバーランディングネットに入ったのは5投目ぐらいでした。釣れたのは20センチ余のヤマメサイズのニジマスでした。このサイズをちゃんとフッキングさせて取り込むには6番ロッドは硬すぎます。しかし毎回当たり、ロングキャストした時などは、手前に来るまでにヒット&バラシを4、5回繰り返してしまうほどでした。

 やる気満々の小型魚影は濃く、初心者が投げて引いて当たりを取るには最高の釣り場だと思いました。よく来ているという人に話を聞くと、イベントがある時以外は小型マスの大量放流が常で、いろんなフライを試すにはいい場所だと言ってました。

 夕方、風がやむと一斉にライズが始まりました。3~4番のロッドで小型ドライフライがあれば、こちらも楽しめるのではないでしょうか?

 私はドライフライをではなく、今度は水面直下のウエットフライで食いつく瞬間を見て、その後ググッと来るのと両方を一度に楽しむことにしました。30匹以上釣りましたが、この日の最大魚は30センチに満たない魚ばかりでした。(東京海洋大学客員教授)

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