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怒とうの6連チャン マダイの鬼 “大松っ子”津田さん 平成最後の日まで攻めた

[ 2019年5月21日 07:24 ]

津田さんは2・5キロと1・5キロ
Photo By スポニチ

 【根ほり葉ほりおじゃま虫ま~す】今年の剣崎沖マダイは近年にない激乗っ込みだった。日報には連日2桁数字が載る状態。はやる気持ちで剣崎・大松丸へ急行。そこで出会った名手の横におじゃま虫ました。(スポニチAPC 町田 猛)

 日本人にとってマダイは古来、別格扱いで人気No・1。午前4時すぎ、港は憧れのスターに出合おうとするファンでごった返していた。

 津田純さん(45=横浜市)は左舷ミヨシにデンと構えた。宿のホームページに何度も登場する“有名人”だ。

 先月だけで既に5回目。取材日も連チャンだった。「最初はオデコ。その後は13、19、13匹」。建設業の合間に怒とうの釣果だ。そのコツは「大きく誘ってゆ~っくり下ろしてくるだけです」。こともなげに語る。が、そこには言葉にできない感覚があるに違いない。鈴木大揮船長=写真=は「手返しがいい。マメです。それに通ってくる回数が違うから」。習うより慣れろか。

 船釣りを始めてまだ8年ほど。元々アユが得意だった。大会でトロフィーを取ったことも。「冬にアユ仲間からカワハギに誘われて」宗旨替え。まして4年前からは禁断の?マグロまで加わった。39キロをものにしたとあってはもう川には戻れそうにない。「海を覚えちゃうと、アユのような繊細な釣りはできなくなる」。精密機器とブルドーザーの違いかもしれない。「じっと待っているより誘って掛ける」攻めのスタイルが信条。根底にはアユの精神が生きているようだ。

 他にイカ、イサキ、ワラサも追い掛ける。「食べられる魚しか狙わない」。周年のほとんど剣崎に出向く“大松っ子”だ。酒は飲まず、趣味は釣りのみ。熱量が違う。家族は両親と奥さん、子供3人の大家族。食卓もにぎやかになるというからなおさらだ。

 当日は雨。気温も低下。震えながらのぞく探見丸は「凄い反応」を示しているのに口を使ってくれない。首をかしげること何度か。しばらくしてようやくピンクの竿が大きくしなった。タモに収まったのは、乗っ込み特有の黒ずんだ約2・5キロ。さらに1・5キロを追加して終了。不本意だったに違いない。「明日、明後日、その次の次も…」。6連チャン宣言。正真正銘、平成最後の日も竿を出して5匹。鬼だ。

〇…近津実さん(55=川崎市)は会社員。まだ現役なのに「まあ、毎週ですかね。もう30年以上になります」。大松丸の古株。これまでの記録は「7・7キロ。宿に魚拓がありますよ」。背中合わせに座った津田さんとも顔なじみで、和気あいあい。小ぶりながらも2匹を確保。船釣りの魅力ついては「大物」「食べられる」の他に「違う空間にいるというか、日常から離れられる」。恵美子夫人(56)と2人暮らし。刺し身を前に水入らずで一杯?

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、剣崎・大松丸=(電)046(886)1244 午前5時半出船。乗合料金9000円。

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