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50センチ・ニジマスますます大きくなれ 野生化して再び掛かることに期待

[ 2018年11月17日 11:13 ]

釣れるニジマスは精かんな顔をしている
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】本流釣りのメッカ、長野県の犀川に行ってきました。

 近年9メートル以上の剛竿を使い大型マスやサケを釣ることが一部のマニアの間で流行していますが、ここ犀川殖産漁協エリアでは周年楽しむことができます。キャッチ&リリースルールで一年中釣りが可能なのです。

 11月8日はゆっくりめのスタートで、午前11時に漁協の久林誠治さんから情報を聞きつつ遊漁券を購入、私は日釣りで1000円、同行の飯沼聖道さんは年券を持っていて、なんと5000円だそうです。

 他の川が禁漁になった10月に入り放流をしたというので、そのポイントよりやや下流に入りました。

 飯沼さんはルアー、私は餌釣りです。ロッドはダイワ「飛竜クロダイ」という前打ち竿の7メートル。リールは同「シルバークリーク2004C」、ラインはサンライン「トラウティストエリア」4ポンド、これにスーパートルネード1号(フロロ)を1・5メートル。

 ハリはがまかつ「ナノ船カレイ」12号。ハリ先が外側を向いているので、触っただけで掛かるという前提です。そして餌はマグロのサイコロ切りです。これを知ってから餌釣りが面白くなりました。

 ミャク釣り仕掛けで探り始めます。10回流さないうちに当たりがあり、ロッドを立てると重い引きが伝わりました。ゆっくり時間をかけて弱るのを待ち、引き寄せると婚姻色が出たニジマス。この日初下ろしのハンドメードジャンプラバーネットですくい測ってみると47センチありました。

 それをリリースすると今度は50センチが釣れました。この魚にはハリの傷が私の以外に3カ所ついていました。殖産漁協はカワウ対策で大型の成魚放流を繰り返しています。

 10月は採卵が終わり精子をしぼったオスが安く手に入るので大量に放流できるみたいです。そのため、濃い色のついたオスばかり釣れるのです。

 最近ではヒレがしっかりした、より野生に近いような姿の魚を確保して放流。そのためか放流魚とはいえ、胸ビレも張っているので、急流の川底でかけた場合、他の川のニジマスのように水面に躍り上がってジャンプを繰り返すようなことはあまりなく、川底で抵抗を続けるため、なかなか浮き上がってこないのです。その引きは重厚で、それはそれで楽しいものです。

 しかし狙いはもっと大きな魚です。ここでは60センチオーバーも珍しくないのです。

 昼食は道の駅の手打ちそば。できるだけ地元で食べるようにしています。食事中、飯沼さんと作戦会議。そしてポイントを大きく変えました。行ってみるとフライの人が2人上がってきたところで、「当たりもなかった」と嘆いていました。

 そこで粘ってみるとちょっと小型でしたが、ヒレピンのきれいな年越し魚が掛かりました。やっぱり餌は釣れますね。ルアーの飯沼さんもノーヒットでしたが。

 午後3時、マグロをやめて餌を川虫とミミズにチェンジ。もしかしたら大きなブラウンが釣れるかもしれないと希望を持って流し続けましたが、川虫に50センチぐらいの放流マスがヒットしたのみでした。これらの魚たちがここで野生化し、再び掛かってくれることを期待します。 (東京海洋大学客員教授)

 ◆フィッシングカレッジ奥山塾 12月9日(日)のイベントは山中湖ドーム船のワカサギ釣り。電動リールなどのレンタルもあります。詳しくは「奥山文弥イベント一覧」で検索。

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