×

「悲劇」を「歓喜」に塗り替えた森保ジャパンの「ピッチ内での主体性」と「団結力」

[ 2022年12月3日 05:10 ]

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグE組   日本2-1スペイン ( 2022年12月2日    ハリファ国際スタジアム )

<日本・スペイン>観客席に投げキッスする吉田(撮影・西海健太郎)
Photo By スポニチ

 多くのアクシデントを乗り越えたのは、森保ジャパン発足後から大事にしてきた「ピッチ内での主体性」と「団結力」だった。

 遠藤や冨安らコンディションに不安を抱えていた選手、左太腿痛で出場が絶望的だった酒井…。しかもショッキングな敗戦を喫したコスタリカ戦からスペイン戦までは中3日しかなかった。11月29日の練習では5バックに変更。今大会は4バックでスタートさせてきたが、守備強度を高める意図だった。加えて前線プレスを想定した5―3―2システムにトライした。

 だがMF鎌田は「選手間でうまくいっている感じがしなかった。(所属の)フランクフルトでの成功体験もあったので、そうした方が良いんじゃないかと言わせてもらった」と進言。5―4―1への流れをつくった。

 選手の意見を集約し、主将のDF吉田が森保監督に具申した。「たとえスペインでもブロックを敷いた相手にはてこずっていた」(吉田)というチームスタッフの分析が下地にあり、ハイプレスではなくブロック守備戦術を提案。スタッフ陣と擦り合わせ、わずか1日で仕上げた。ピッチ内での肌感覚や全員の意思統一が徹底されたからこそだった。

 コスタリカ戦で失点に結びつくミスを犯し、批判を浴びた吉田は試合後、「言葉になりません。これだから代表はやめられないです」と目を潤ませた。感慨に浸った後は、主将らしく気を引き締めた。「ここからは分析の“いたちごっこ”が始まる。より良い分析をしてオプション1と2、もしくは3まで持っておかないと」。中3日のクロアチア戦も、知恵と団結力で立ち向かう。

続きを表示

2022年12月3日のニュース