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スイスが“いわくつきの一戦”を制して1次リーグ突破 MFフロイラーが後半3分に強烈な勝ち越し弾

[ 2022年12月3日 06:02 ]

サッカーFIFAワールドカップ1次リーグH組   スイス3―2セルビア ( 2022年12月2日 )

決勝トーナメント進出を決め、喜びを爆発させるスイスイレブン(AP)
Photo By AP

 スイスがセルビアとの“プライドマッチ”を3―2で制し、3大会連続の決勝トーナメント進出を決めた。2―2の後半3分、複数人が絡む崩しから最後はMFフロイラーが左足を一閃(いっせん)。これが決勝点となり、2勝1敗の勝ち点6で1次リーグG組を2位突破した。前回大会も1次リーグで同居し、2―1でスイスが熱戦を制している。次戦は決勝トーナメント1回戦でH組1位のポルトガルと激突する。

 前半は壮絶な殴り合いとなった。スイスが20分にMFシャカの左足シュートで先制すると、6分後にはセルビアがFWのA・ミトロビッチが左からのクロスに頭で合わせて同点。その勢いのまま35分にはエースのFWボラホビッチが左足でゴールネットを揺らしたが、44分にはスイスがFWエンボロの同点ゴールで試合を振り出しに戻した。ただ、後半開始早々の難しい時間帯での集中力の差が勝敗を分けた。さらに同アディショナルタイムには競り合いから両チームがヒートアップ。勝負にかける思いはもちろん、因縁を感じさせるようなシーンだった。

 前回大会で禍根を残した“いわくつきの一戦”は、スイスの勝利で幕を閉じた。18年の対戦時には後半にシャカのミドルシュートで追い付き、さらにシャキリが勝ち越し点を決める劇的な展開だった。焦点となったのは、ゴール後に2人が見せた両手を広げて交差させるようなポーズ。ャカとシャキリはアルバニア系で、同系住民が多数を占めるコソボにルーツを持つ。セルビアは08年に宣言されたコソボの独立を認めていない。2人のしぐさはアルバニア国旗に描かれる双頭のワシを模したもので、政治的パフォーマンスとしてFIFAから罰金処分を受けた。

 火種は今大会でもくすぶっていた。1次リーグ初戦のブラジル戦で、セルビアのロッカールームにコソボを含めた地図と「われわれは屈しない」とのメッセージを記した旗が掲げられた。前回の当事者の1人でもあるMFシャカは「われわれはスイス、彼らはセルビア、それだけだ。僕たちはサッカーをするためにここにいる」と話していた。

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