「どうする家康」先陣・山県昌景が壮絶最期 天を仰ぐ先に…橋本さとし語る舞台裏「勝頼あまりに神々しく」

[ 2023年6月11日 20:45 ]

大河ドラマ「どうする家康」第22話。「設楽原の戦い」で先陣を切る山県昌景(橋本さとし)だったが…(C)NHK
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 嵐の松本潤(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は11日、第22話が放送され、織田・徳川連合軍VS武田軍の「長篠・設楽原の戦い」(天正3年、1575年)が描かれた。山県昌景役を好演した俳優の橋本さとし(57)が撮影を振り返った。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどのヒット作を生み続ける古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となる。

 第22話は「設楽原の戦い」。織田・徳川連合軍は、長篠城の西・設楽原(したらがはら)で武田軍と対峙。しかし、織田信長(岡田准一)は馬防柵を作るばかり。動こうとしない。しびれを切らした徳川家康(松本潤)は、わずかな手勢で武田の背後から夜襲をかける危険な賭けに出る。策は功を奏し、武田四郎勝頼(眞栄田郷敦)は攻めかかってくるが、信長はその瞬間を待っていた。3000丁の鉄砲が火を噴く!…という展開。

 酒井忠次(左衛門尉)(大森南朋)率いる部隊が、武田軍の鳶ヶ巣山(とびがすやま)砦を背後から奇襲。長篠城を救った。信長は「並の将であれば引くであろう。もし引かねば、勝頼はとんでもない愚か者か、あるいは…」と語ったが、退路を断たれた勝頼の決断は――。

 勝頼「父が好きな空の色じゃ。我が父なら、どうすると思う」

 穴山信君(田辺誠一)「間違いなく、引くことと存じまする」

 山県昌景(橋本さとし)「信玄公は、十分な勝ち目なき戦は決してなさいませんでした」

 勝頼「その通りじゃ。だから武田信玄は天下を獲れなかった。手堅い勝利を百重ねようが、一の神業には及ばぬ」

 「間もなく逃げ道がふさがれる。正面の敵は3万。待ち構える鉄砲組は1000を超える。ただちに引くのが上策である。だが、引いてしまってよいのか。目の前に、信長と家康が首を並べておる。このような舞台はもう二度とないぞ。命長らえたい者は止めはせん。逃げるがよい。だが、戦場に死して名を残したい者には、今日よりふさわしき日はない。あれ(虹)を見よ。吉兆なり!我が父が申しておる。武田信玄を、超えてみせよと!我が最強の兵どもよ、信長と家康の首を獲ってみせよ。おまえたちの骨は、このわしが拾ってやる!」

 赤備えの兵たちは雄叫び。昌景が先陣を切った。

 しかし、織田軍の鉄砲隊に蹴散らされ、戦国最強の武田軍も惨敗。猛将・昌景も壮絶に散った。

 橋本は同局を通じてコメントした。

 ――山県昌景の人物像、役作りについて。

 「戦国最強武田軍の中でも筆頭に上がる赤備えの部隊を率いる猛将・山県昌景を演じるにあたり、まず意識したのは…何も言わずしても、そこにいるだけで百戦錬磨の凄みが出ることです。史実では140センチほどの小柄だったと言われていますが、きっと184センの私より大きなオーラを発していたのではないかと想像し、逆にデカい体と濃い顔面で臨みました」

 ――最期のシーンについて。

 「武力だけでなく知略にも長けていた戦のプロフェッショナルだった昌景は、決して負け戦はしなかったはずです。死を望んだのではなく、勝つことへの執着を捨て、家臣としての忠義を果たす選択をしたのだと思います。設楽原の戦いでは、決死の覚悟で騎馬隊で鉄砲に立ち向かっていったのではないかと思われます。最後まで武士の誇りを貫き死す姿を演じることが、猛将・山県昌景への私なりの務めだと思いました。現場での眞栄田郷敦さん演じる勝頼があまりにも神々しく眩しく、武田軍の兵士の方々の気迫も凄まじく『先陣を仕りまする!』と名乗り出るシーンは役者としても昌景としてもリンクして、覚悟と闘志に火がつくシーンとなりました」

 ――武田家への思い、“チーム武田”の収録について。

 「武田軍の撮影現場では、信玄役の阿部寛さんの存在感を筆頭に、会話は最小限で、それぞれが猛将に没頭していたという印象です。そのままの空気感が映像で伝わっていると思います。20歳の若さで信玄直属の部隊長に抜擢され、信玄への謀反に加担していた実兄・虎昌を密告するなど、相当、武田家への忠義は厚かったと思います。それだけではなく、昌景討死の際に首級を敵に奪われないよう家臣が持ち帰るほど、部下からも慕われていたのではないでしょうか。少しドラマチックになりますが…最期に天を仰ぎ見た先に信玄公を思い描きました」

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