市川團子 歌舞伎界希望の光!急きょ大役務め上げ高評価 猿之助代役“千秋楽”観客から拍手5分間

[ 2023年5月28日 05:00 ]

市川團子
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 歌舞伎俳優の市川團子(19)が27日、東京都目黒区の自宅で倒れているのが見つかった市川猿之助(47)の代役を務めた舞台の“千秋楽”を迎えた。東京・浜町の明治座公演「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」の昼の部「不死鳥よ 波濤(はとう)を越えて―平家物語異聞―」で、團子は主人公の武将・平知盛を演じた。公演は28日までだが、「不死鳥よ…」はこの日が最終公演だった。

 不死鳥となった團子が宙乗りで天に消えていくラストシーンでは、客席から割れんばかりの拍手。観客はスタンディングオベーションで称え、拍手は約5分間続いた。カーテンコールなど特別なことは行われなかったが、観客は一様に、團子の熱演に心打たれたようだった。

 猿之助は18日に倒れ、緊急搬送された。急きょ代役に決まった團子は、中1日の準備期間で20日から主役として舞台に立った。知盛の團子バージョンを見て、この日も駆けつけたという女性は「最初と比べ、歌の場面がどんどん良くなっていった。緊張がほぐれていったんでしょう」と“進化”を語った。

 途中「生きて、生きて、生き抜け!」と叫ぶ場面では、客席からすすり泣きの声も漏れた。80代の女性は「歌舞伎を見て泣いたのは初めて」と目頭を押さえていた。

 この日、当日券を求め明治座には約200人が列を作り、注目度の高さをうかがわせた。猿之助の穴を短期間で埋めた19歳に、周囲の評価はうなぎ上り。歌舞伎関係者は「準備期間もない中で、よく演じきった。その度胸はたいしたもの。澤瀉屋(おもだかや)の立派なホープになった」と話した。

 ≪28日公演最終日≫「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」は28日が千秋楽。当初から最終日のみ「花形公演」と銘打ち、中村隼人(29)が主演で「御贔屓繋馬」2公演が予定されていた。團子と同様、隼人は同作で猿之助の代役を務めてきた。猿之助の代役公演は今後も続く。6月3日に東京・歌舞伎座で開幕する「六月大歌舞伎」では、猿之助の役を中村壱太郎(32)が演じる。揺れる歌舞伎界を“ニュースター”たちがもり立てていく。

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