黒柳徹子、紅白司会秘話明かす 衣装紹介や手話も実践「伝えたいことは大きい番組でやるべき」

[ 2023年1月3日 17:31 ]

黒柳徹子
Photo By スポニチ

 女優の黒柳徹子(89)が、2日放送のNHK「生放送!紅白歌合戦お正月スペシャル」(後7・00)にVTR出演し、紅白の裏話を披露した。

 過去に6度の司会を経験している黒柳。昨年は審査員を務めた。最後のステージ歌唱になった加山雄三に贈った「素晴らしかったです。若大将!でも、もうこれで終わりなんて残念。もっと歌ってほしかった」という惜別の言葉が話題になっていた。

 司会としての初出場は、1958年の第9回。まだ25歳の時で、当時の番組史上最年少での抜てきだった。「普段出てる時は何でもないのに、紅白でNHKホ-ルに出ると、客席の方から何とも言えないうわあ~っと、変な風のようなものが押してくるの。それをはね返して“みなさん、○○…”と言わなきゃならないのが、なかなか大変で」と、当時を回想。自身の体験から「司会をなさる方や、歌で初めて出る方なんかには、とても親切にしてあげないと気の毒だと思います。歌手の人も震えてる人たちもいる」と、出演者たちへのフォローを大切にするようになったと明かした。

 番組では、中森明菜が初出場した83年(第34回)での、黒柳と中森のやりとりが紹介された。歌い終わって「あがっちゃって…」と震える中森に、黒柳が「明菜ちゃんでもあがることありますか?でも、そんなに膝が痛いのに、我慢して歌って下さって。震えてるのね。大丈夫ですか?」と優しく声を掛けた場面。VTRを見た「嵐」櫻井翔は、「あの一言はなかなか言えないですね」と感心していた。

 年に1回の晴れ舞台とあって、出場歌手たちは特別な衣装を用意することも多い。黒柳はそこにも注目したという。「美空ひばりさんが、お衣装の動物の模様があって、目にダイヤモンドを入れたんですって。どなたにもお伝えにならなかったようなので、クローズアップになることがなかった」と振り返った。

 その残念な経験談を耳にし、自身が司会の際には出場者たちに事前取材したという。「私は“衣装はここを強調して欲しい。おリボンと靴のおリボンが一緒だったら、そういうふうにしている”と、ちゃんと見せていただいた方がいいと(思った)。それで、全部の方の衣装を見せていただきました。“どこか強調したいところはありますか?”って。やっぱりあって、ちゃんと書いて、一応ディレクターに渡しました」。そのきめ細やかさに、「南海キャンディーズ」山里亮太は「ただでさえやることがたくさんある中で、プラスアルファで」と驚きを隠せない様子だった。

 黒柳は紅白で、ある試みを行ったことがあったという。「司会をしている時、ほんのちょっとだけでも、私が手話をやったら、子供が見ていて、耳の聞こえない人たちは手でしゃべるのだということをみんなが分かってくれたらどんなにいいだろう、と思って」。耳の不自由な方が少しでも楽しめるように、手話を取り入れようと考えたという。

 しかし、両手で表現する手話は、手にマイクを持った状態にはできないもの。「自分一人だけで映る瞬間じゃないとダメなんですよ。あの長い、3時間半くらいの間に、何もなくてカメラと対面するところって1カ所しかなかったんですよ」。そこで黒柳は、本番でカメラマンを務める知り合いに耳打ちしておいたという。「その人に“私、やるから頼むね”って、その人だけに言っておいたの」。本番での連携はバッチリ。スタンドマイクの前で黒柳が1人の場面で、手話を披露する場面が大映しにされた。黒柳の手話は評判だったようで、翌年以降も取り入れることに。「何か伝えたいことがあったら、こういう派手な大きい番組でやるべきだと私は思っているんですね」と、持論を口にした。

 黒柳の体験談に、「嵐」で司会も担当したことがある櫻井も感動。「誤解を恐れずに言うと、司会というセクションは他と違う、1人で戦わなきゃならない時というのがあったんだなと、カメラマンの方だけに話してあれをさっとやったという一言で感じましたね」と話していた。

続きを表示

2023年1月3日のニュース