9歳4カ月!藤田怜央君 囲碁世界最年少プロ棋士に、仲邑菫二段も「対局できるの楽しみ」

[ 2022年8月18日 05:30 ]

会見に臨んだ藤田怜央新初段
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 囲碁の関西棋院は17日、小学3年生の藤田怜央君が9歳4カ月でプロ棋士の初段になると発表した。9月1日付のプロ入りは、19年に日本棋院の英才特別採用で棋士になった仲邑菫二段(13)の10歳0カ月を更新するだけでなく、世界最年少記録となる。

 関西棋院によると囲碁の盛んな中国、韓国、台湾を含めても最年少。中国の常昊(ジョウ・コウ)九段(45)と韓国のチョ・フンヒョン九段(59)が9歳7カ月で並ぶ記録を更新する。藤田君は関西棋院が今年新設した英才特別採用試験を受験し、初の合格者となった。

 「頑張ります」。1メートル30、28キロの藤田君は着席したイスに座布団3枚重ねで質疑に応じ、そう絞り出した。対戦したい棋士に井山裕太4冠(33)を挙げ、将来の目標を「世界一」とした。

 4歳を過ぎた頃からオセロに熱中し、相手をしきれなくなった理学療法士の父・陽彦さん(41)が囲碁サロンへ連れて行った。小学1年からは日本棋院でプロ候補生の院生となって腕を磨いた。7月に関西棋院から受験し、合格。月給がなく対局料も半額の準棋士だが、2年での通過がメドの通算30勝すれば正棋士となる。

 試験対局を担当した瀬戸大樹八段(38)は「振り返ると60手目までは互角。その後、(瀬戸が)優勢になったのにまた引き戻された。見たことのない才能」と称え、井山や仲邑との同年齢での比較について「完成度の高さは同じくらい」と評価。「最年少棋士」の肩書を譲る仲邑は「びっくりしました!対局できるのを楽しみにしています!」とコメントした。デビュー戦は9月後半になる予定。

 【藤田君の秀才アラカルト】
 ▽1歳で兄・夏輝さん(12)がそらんじる大阪市営地下鉄・御堂筋線や谷町線の全駅名をその横で暗記した

 ▽4歳で全国47都道府県を面積の大きい順番に暗記した

 ▽米国デスバレーでの世界最高気温記録56.7度や最低記録、また近畿2府4県それぞれの気温の最高と最低記録を暗記するなど、数字に強い関心を示した

 ◇藤田 怜央(ふじた・れお)2013年(平25)4月25日生まれ、大阪市中央区出身の9歳。師匠は星川拓海五段(39)。好物は寿司、焼き肉。好きな番組は日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」。

 ▼井山裕太4冠 プロとしてのスタートラインに立ち、これからいろいろな壁が待ち受けていることと思います。力を蓄え、思う存分チャレンジしていかれることを願っております。

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