里見女流5冠、棋士編入試験第1局始まる 今年度勝率9割超えの徳田四段を得意のゴキゲン中飛車で迎え撃つ

[ 2022年8月18日 12:24 ]

徳田拳士四段との棋士編入試験5番勝負の第1局に臨む里見香奈女流5冠(日本将棋連盟提供)
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 里見香奈女流5冠(30)が18日、大阪・関西将棋会館で棋士編入試験5番勝負の第1局に臨み、先手・徳田拳士四段(24)との対局は里見の得意戦法ゴキゲン中飛車になった。里見は王を囲う側の9筋の歩を8手目、10手目と5段目まで伸ばし、徳田陣へプレッシャーをかけると共に王の逃げ場所を広げた。

 その後、正午からの昼食休憩までの局面は、里見が一段飛車で低い態勢を敷いたのに対して徳田は天王山に歩を打って積極的な布陣。これに里見が歩を合わせて反撃をうかがっている。

 対局を中継する囲碁将棋チャンネルで解説を務める羽生善治九段(51)は近年好成績を残す里見について「思い切った、斬新な将棋。(事前の)研究勝負より力戦、乱戦、ねじり合いで勝負したいと感じる」と印象を語り、女流棋戦も含めた4月以降の今年度対局数が37局目であることについて、「かなりの数をこなすことでいい方向へ作用し、力を伸ばしている」と語った。

 4月に四段に昇段した徳田は通算成績が12勝1敗。勝率・923は全棋士のトップで現在9連勝中。棋士番号順に選出した新四段5名の試験官でも最も勢いのある相手といえ、里見は初戦から最難関に挑むことになった。

 里見は5月、棋士に混じっての公式戦で直近の成績が10勝4敗に到達。編入試験の受験資格「公式戦で10勝以上かつ勝率6割5分以上」を女性で初めて満たし、受験を決断した。今後、月に1度若手棋士と計5局を行い、3勝すれば四段に昇段、3敗すれば不合格となる。昼食メニューは里見が「きつねうどん」、徳田は「親なん定職(うどん)」(共にやまがそば)。持ち時間3時間で、昼食休憩までの消費時間は里見が40分で徳田が1時間。夕刻終局見通し。

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2022年8月18日のニュース