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5万回斬られた男、福本清三さん死去 「ラストサムライ」でも名演 日本一の殺陣職人

[ 2021年1月5日 05:30 ]

2014年に毎日映画コンクール表彰式で特別賞を受賞しあいさつする福本清三さん
Photo By スポニチ

 映画やテレビの時代劇で斬られ役として活躍し「5万回斬られた男」の異名を持つ俳優の福本清三(ふくもと・せいぞう、本名橋本清三=はしもと・せいぞう)さんが1日午後5時26分、肺がんのため京都市内の自宅で死去した。77歳。兵庫県出身。葬儀は故人の遺志により、家族葬で執り行われた。

 関係者によると、福本さんは15年に肺気腫を患い、その治療過程でがんが見つかった。その後は体調と相談しながら仕事を続け、俳優だけでなく、東映京都撮影所の殺陣集団「東映剣会」による殺陣講座の講師や京都太秦映画村での「福本清三ショー」で見事な太刀さばきを披露していた。

 最後の仕事は昨年8月に撮影されたNHK・BSプレミアム時代劇「十三人の刺客」(11月28日放送)。秋以降は入退院を繰り返し、最期は家族にみとられて静かに旅立った。昨夏以前に撮影され、今年公開予定の映画もあるという。

 59年、15歳で東映京都撮影所に入所し、大部屋俳優に。20代後半から斬られ役専門となり、特に同学年の松方弘樹さんとは「お兄ちゃん」「福ボン」と呼び合うほど信頼が厚く、松方さんは生前、福本さんを「5000回は斬った」と話していた。

 大きな注目を集めたのは、03年の米映画「ラストサムライ」。主演トム・クルーズ(58)に従う寡黙な侍役で、前年10月に大阪で行われた製作発表にも渡辺謙(61)、真田広之(60)らとともに出席。翌年2月にニュージーランド・ロケで迎えた誕生日は、トムらからサプライズで祝福され、「ありえへんことを、たくさん経験させてもらった。ほんまに恵まれています」と、04年に出版した自伝「おちおち死んでられまへん 斬られ役ハリウッドへ行く」で語っている。このハリウッド進出で、多くの無名俳優の憧れの存在になった。

 芸歴55年の節目の14年には「太秦ライムライト」で映画初主演し、この時の役の設定も斬られ役一筋のベテラン俳優。「代表作は存在しない」と言い続け、生涯斬られ役に徹したまさに侍だった。

 ◆福本 清三(ふくもと・せいぞう)1943年(昭18)2月3日生まれ、兵庫県出身。59年、東映京都撮影所に入所。エキストラや端役を経て斬られ役となり、78年のフジテレビ「柳生一族の陰謀」、81年の同局「同心暁蘭之介」などで頭角を現す。「太秦ライムライト」ではファンタジア国際映画祭(カナダ)で、日本人初の主演男優賞を受賞。毎日映画コンクール特別賞、日本アカデミー賞協会特別賞なども受賞している。

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