「いのちの停車場」吉永小百合も喜び…東映会長・岡田裕介さん“遺作ポスター”完成

[ 2020年12月14日 07:00 ]

先日急逝した東映グループ会長・岡田裕介さん発案で鉛筆画で製作された映画「いのちの停車場」のポスター
Photo By 提供写真

 先月18日に急性大動脈解離のため71歳で死去した東映グループ会長・岡田裕介さんの“遺作ポスター”が公開された。製作の総指揮を執っていた映画「いのちの停車場」(監督成島出、来年5月21日公開)のビジュアルで、主演の吉永小百合(75)らキャスト4人の顔が鉛筆画で描かれたもの。今月25日から全国の映画館などで掲示される。

 ポスターに掲載されたのは吉永、松坂桃李(32)、広瀬すず(22)、西田敏行(73)の4人の顔。モノクロ写真のように見えるが、鉛筆で繊細に描かれたものだ。

 「鉛筆画でやりたい」。岡田さんは8月にこの案を宣伝スタッフに伝えた。どこかで目にした鉛筆画が頭から離れず、ポスターに使えないかと考えていた。今作は在宅医療をテーマに描くヒューマンドラマ。作品の持つ温かさや、生きることの喜びや希望を視覚的に伝えられるのでは、という発想だった。

 スタッフが調べたところ、岡田氏が見た絵は富山市の鉛筆画家・古谷振一氏の作品と判明し、すぐにオファーした。1枚あたり2週間かかるため、4枚がそろったのは10月中旬。岡田さんは1枚ずつ届く絵を見てはうれしそうにしていたといい、吉永も絵を見て「会長らしいアイデアね」とほほ笑んでいたという。

 その後、この絵を使ってポスターを製作。岡田さんは何度もダメ出しして、よりよいポスターの完成を目指したが、完成形を見ないままこの世を去ってしまった。スタッフは「少しでも多くの方に映画を見てもらえるきっかけになればと思います」と願った。

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2020年12月14日のニュース