藤井七段 王将戦挑戦者決定リーグ2勝目 羽生九段は連勝、久保九段は連敗

[ 2019年10月18日 17:09 ]

王将戦挑戦者決定リーグの対局で糸谷哲郎八段(右)と指す藤井聡太七段
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 将棋の第69期大阪王将杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は18日、東西の将棋会館で挑戦者決定リーグの対局が行われ、大阪では糸谷哲郎八段(31)と藤井聡太七段(17)が激突し、藤井が108手で勝った。渡辺明王将(35)への挑戦権を懸けたリーグを2勝1敗とした。糸谷は0勝2敗。

 過去2度の対戦は昨年3月の王座戦が糸谷の阪田流向かい飛車、今年1月の朝日杯は角換わりをともに藤井が制していた。「怪物」との異名を取る竜王経験者との対戦成績を3勝0敗とした。

 この日の先手は糸谷。13手目まで1月と同じ進行になり、戦型は角換わりになった。超ハイペースで差し手が進み、午前中に糸谷が角を成り込んで攻めの態勢を築いた。

 63手目、糸谷が敵陣に打ち込んだ金獲りの銀で8月、今回と同じ後手番の藤井が村山慈明七段(35)に屈した叡王戦段位別予選の前例を離れた。もちろんその叡王戦を下地として急ピッチで指し手を進めた両者。糸谷にとっては秘策の銀、藤井も前回村山に敗れてなおこの変化へ飛び込んだからには用意の変化があったはず。互いの確信と意地が午前中からぶつかった。

 午後、糸谷が馬獲りを放置して中段に桂を打つ。55分の熟慮を経て馬を獲った藤井に糸谷は即座に桂を跳ね出して勝負に出た。ところが直後に90分の大長考。糸谷に読み違えがあったようで攻守逆転。藤井が一気に攻勢に入り、糸谷を投了へ追い込んだ。藤井は21日、昨年2月の朝日杯以来2度目、羽生善治九段(49)との大一番が待っている。

 東京では羽生が143手で久保利明九段(44)を下し、開幕2連勝。前王将の久保は2敗となった。

 ▼羽生九段 はっきりしない展開と思って指していた。(103手目の)[先]7五角と歩を払った時点でちょっとよくなったと。(次戦の藤井戦は)リーグで大きな一番になる。コンディションを整えて迎えたい。

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