綾野剛 ホスト風の装いで登場、役柄と「ああ、まったく別人なんだ」と…

[ 2019年10月18日 19:21 ]

映画「楽園」の初日舞台挨拶に登壇した瀬々敬久監督、佐藤浩市、綾野剛、杉咲花、村上虹郎、ユップ・ベヴィン氏=(右)から
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 俳優の綾野剛(37)が18日夜、都内で行われた主演映画「楽園」(瀬々敬久監督)の初日舞台挨拶に登壇した。

 今作のプロモーション時は黒い装いが多かったが、この日は上下ともに赤。「絶対これ言うと記事になりそうだから」と前置きし、「だいたい金髪とね、赤のスーツといったら、もう…はい、いろいろと思うところがあったよ」とホスト風の姿に照れまくり。

 「この映画を見終わった後に(凶悪事件の容疑者を演じきった)僕たちのことを(みなさんが)心配になることがあると思ったのね。だから、『ああ、まったく別人なんだ』『違う人を生きているんだな』と思ってもらえたら」と、役柄とは対照的に派手な衣装を着て来た理由を説明。

 共演者の村上虹郎(22)からも「今日、ライブですか?」と茶化されるくらいだった。

 綾野は、上白石萌音(21)が歌う主題歌「一縷(いちる)」にも触れ、「この映画を見終わった後に『一縷』が流れた瞬間、大変助かりましたね。包み込んでくれて、すべてを救いとってくれるような、何とか立ち上がることが出来るきっかけをもらえたような気がして」と感想。作詞、作曲したRADWIMPSの野田洋次郎(34)から、「上白石萌音さんの声じゃなかったら、こういう曲にはなっていなかった」とのメールをもらったことも明かした。

 映画が撮影された長野県内の各地では、河川の氾濫などで甚大な被害を受けている。同曲は台風19号の被害が日本中で発生していた14日から配信を開始。野田はツイッターで「期せずして、このような時期に、配信になりました。賢明に生きるあなたに、ただ届いて欲しいと作った曲です。少しでも伝わるものがありますように」とコメントしている。

 最後に綾野は「今、たくさん世の中には陰惨な事件や大変なことがたくさんあります。地方も中央も改めて見つめ直さなきゃいけないと心から思います」と真摯にあいさつ。映画で杉咲花(22)が演じた少女役を引用して「最終的に生きるということで沸点をつかみとったんだと思います。そこにしかやはり希望はないと思います。希望に向かって生きる沸点を賢明に探している人がいたら抱きしめてあげてください。僕もそのように務めていきたいなとこの作品から教わりました」と観客らに呼びかけた。

 この日は佐藤浩市(58)らも出席。劇中曲を担当したオランダの作曲家で演奏家、ユップ・ベヴィン氏が来日し、ピアノの生演奏を披露した。   

 原作は吉田修一氏の短編集「犯罪小説集」(角川文庫刊)。全5編のうち「青田Y字路」と「万屋善次郎」の2編をアレンジしたオリジナル作品で、地方都市で起こった少女失踪事件を舞台に、綾野が演じる容疑者と、取り巻く人々の内面に迫るサスペンス。ベネチアと釜山の両国際映画祭で正式上映された。

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