新井浩文被告「同意あった」 強制性交罪初公判 被害女性と真っ向対立

[ 2019年9月3日 05:45 ]

<新井浩文被告初公判>初公判を終え車で引き揚げる新井浩文被告(撮影・会津 智海)
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 派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして強制性交罪に問われた元俳優新井浩文(本名・朴慶培=パク・キョンベ)被告(40)の初公判が2日、東京地裁(滝岡俊文裁判長)で開かれた。新井被告は「暴力は一切やってない。同意があった」と起訴内容を否認。被害女性は「まるで物のように扱われた」と訴え、犯行の状況を生々しく証言。双方の主張は真っ向から対立した。

 起訴から半年以上たってようやく始まった裁判。新井被告は被害女性との示談が成立しないままこの日を迎え、無罪を訴えた。
 黒いスーツに黒いネクタイ姿で入廷。頬がややこけた印象で、白髪が目立った。証言台に立つと「まずは女性に謝罪したい。本当にすみませんでした」と裁判長に向かって5秒ほど頭を下げた。続けて「暴力は一切やっていません。同意があったと思っています」と主張した。

 起訴状によると、昨年7月1日、都内の自宅でマッサージ中の女性のズボンとパンツを脱がし、陰部を手でもてあそぶなどした上で性行為。ここまでは弁護側も認めたが、女性の頭部を押さえつけ、女性の口の中に自身の陰茎を入れようとしたなどという性行為に暴力が伴ったとした起訴内容は否認した。

 証人出廷した女性は、法廷と別室を映像でつなぐビデオリンク方式で当時の生々しい状況を証言。新井被告に施したマッサージは90分コース。場所は寝室で、新井被告の希望で施術中は部屋の電気を消灯。女性は「ほとんど明かりはなかった」と振り返った。
 女性はうつぶせになった新井被告の背中、続けて仰向けにして左足、右足の順で施術。新井被告が興奮し始めたのは、そけい部の施術中で、女性は「息遣いが荒くなっていった。股間の近くを触らないようにしたけど“もっと奥、もっと奥”と言われ“無理です、無理です”と拒んだ」と回想した。

 その後、新井被告に手をつかまれ、手の甲を勃起した陰茎に押しつけられたと主張。さらに手を強く引っ張られて倒れ、陰茎を「なめて」と求められたが拒否。ズボンとパンツを脱がされると「入れないで」と、手で陰部を守って抵抗したが、手をどかされ、避妊具をつけていない陰茎を挿入されたとした。

 一方、弁護側は「新井さんはこれまでも性器ギリギリのところをマッサージされ興奮し、性交したことは何度かあった。拒否されればしなかった」と告白。今回も過去のケースと同様、拒否されなかったという主張だ。

 女性は「物みたいに扱われて凄く悔しい。刑務所に入って反省してほしい」と実刑判決を求めた。新井被告の被告人質問は今月26日に行われる。

 ▽ビデオリンク方式 被害者や証人への尋問で、法廷内にいる弁護士や検察が、別室にいる被害者らに対しテレビモニターを通じて質問を行う方式。被告や傍聴人と直接顔を合わせることがないため圧迫感が少なく、精神的負担を軽減できるなどのメリットがある。被告や傍聴人はモニターを見ることができないが、音声は法廷内に流れ、聞くことができる。

 ◆新井被告の経過
▼18年6月30日夜 友人と飲酒
▼7月1日未明 女性を自宅で乱暴
▼同日朝 女性が警察に被害を相談
▼8月28日 女性が被害届提出
▼19年2月1日 強制性交容疑で逮捕
▼5日 所属事務所に契約を解除される
▼21日 強制性交罪で起訴
▼27日 保釈金500万円で保釈
▼8月20日 初公判の期日が発表

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2019年9月3日のニュース