「なつぞら」“天陽くんロス”広がる ネット号泣「朝から涙が止まりません」「美しい人は終わりも美しい」

[ 2019年9月3日 08:15 ]

連続テレビ小説「なつぞら」第134話。天国に旅立った天陽(吉沢亮)(C)NHK
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 NHK連続テレビ小説「なつぞら」(月~土曜前8・00)の第134話が3日に放送され、俳優の吉沢亮(25)が好演した画家・山田天陽が36年の短い生涯に幕を閉じた。ヒロイン・奥原なつ(広瀬すず)が恋心を抱き、絵心を教えられるなど、なつの人生に多大な影響を与えた人気キャラクターの最期に、インターネット上は号泣とショックの嵐。瞬く間に“天陽くんロス”が広がった。

 節目の朝ドラ通算100作目。大河ドラマ「風林火山」や「64」「精霊の守り人」「フランケンシュタインの恋」、映画「39 刑法第三十九条」「風が強く吹いている」などで知られる脚本家の大森寿美男氏(52)が2003年後期「てるてる家族」以来となる朝ドラ2作目を手掛けるオリジナル作品。戦争で両親を亡くし、北海道・十勝の酪農家に引き取られた少女・奥原なつが、高校卒業後に上京してアニメーターとして瑞々しい感性を発揮していく姿を描く。

 美術の才能があるものの、貧しさのため進学しないで農業を手伝った天陽。農作業の合間にべニヤ板に描く絵は繊細にして大胆、躍動感あふれる馬の絵が得意。アニメーターが夢のなつに絵心を教え、彼女の生涯に大きな影響を与えた。なつの上京後は青年団の演劇の手伝いをしていた農家の娘・靖枝(大原櫻子)と出会い、結婚。2児の父となる。“国宝級イケメン”と呼ばれる吉沢が好演。8月24日、次週予告に1秒映っただけで「天陽くん」がツイッターのトレンドに入るなど、今作きっての人気キャラクターとなった。

 第134話は、1973年(昭48)夏。体調を崩し、帯広の病院に再入院していた天陽は病室を抜け出し、咳込みながら自転車で帰宅した。愛する家族と再会した後、アトリエにこもり、描きかけだった馬の絵を徹夜で完成。その朝、靖枝に「(病院に)戻る前に畑を見てくる。来週、退院する頃にはイモ掘りだろ。様子を見てくる。もうじき、親父が搾乳に来る。それから、お袋と子どもたちをよろしく頼む」と言い残し、ジャガイモ畑に倒れ込んだ…。東京の東洋動画で仕事中だったなつは、天陽の兄・陽平(犬飼貴丈)から訃報を知らされた…という展開。

 なつは9月に入り、まとまった休みが取れ、愛娘・優(増田光桜)と十勝に帰省。祖父・(草刈正雄)兄・照男(清原翔)らに再会し「私…忙しいのもあったけど、ビックリしすぎて(天陽の死が)本当になるのが怖くて、すぐに来られんかったわ…」。照男は「お葬式は立派なもんだった。新聞社とかテレビ局も来てたな」、悠吉(小林隆)は「あんな偉い画家さんだったなんて」、菊介(音尾琢真)は「そんなこと、本人は一つも見せなかったもんな」と悼んだ。

 翌日、なつが天陽のアトリエを訪れると、優は天陽の遺作となった馬の絵を目し「本物のお馬さんがいるよ」。なつの目が一気に潤んだ。

 ネット上には「天陽くん…(泣)」「朝から涙が止まりません」「天陽くんのせいで涙が出て化粧ができない。今日は仕事できない」「朝から天陽くんショック大きくて…出勤準備が進まないよ」「天陽くん…もう立ち直れん…学校行きたくない」と涙に暮れ、ショックを受ける視聴者が続出。「朝から天陽くんロスになるわ」「震えが止まらない。ロスだ、天陽くんロス」「圧倒的天陽くんロス」とロス現象があふれ返った。

 「天陽くん…この朝ドラで人が亡くなるの、初めてだ」「天陽くん…本当に天国へ…なっちゃんとは会えなかったんだ」「美しい人は終わりも美しい」「亡くなる時も神秘的な天陽くん」「夏の終わりに朝靄のかかる畑に倒れる天陽くんの儚さが100000点だった」「天陽が天に召された。天陽、今までありがとう。土に生き、馬を愛した、君の強く自信に満ちあふれた生き方は忘れないぞ」「天陽くん…ひ弱な土地を自分1人で開拓しようとして、なっちゃんが泰樹おんじに助けを求めて皆で切り開いた畑で…どんなに十勝を愛してたんだろう。涙が止まらないよ」「畑を開墾し、天寿を全うした愛馬と天陽くんが天上で再会してるだろうって、おんじのセリフで涙腺決壊」などの書き込みが相次いだ。

 天陽のモチーフとなったのは、十勝に生きた画家・神田日勝(1937~1970)。鹿追町には神田日勝記念美術館があり、命日の8月25日は「馬耕忌」と呼ばれ、例年イベントが行われている。今年は吉沢がトークショーを開いた。

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