スリムクラブ 小栗旬の言葉で気付いた「覚悟のなさ」

[ 2019年8月25日 06:30 ]

謹慎明けのステージでネタを披露し、再出発した真栄田賢(右)と内間政成(撮影・大塚 徹)
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 【スポニチ本紙独占取材<下>】スリムクラブは、闇営業に行った大きな要因として自らの内面的な「弱さ」を挙げる。今年6月に反社会的勢力との関わりが明らかになり謹慎処分を受ける前から、周囲は警鐘を鳴らしていた。

 昨年、東京・恵比寿の居酒屋。真栄田賢(43)は、たまたま居合わせた俳優の小栗旬(36)にいきなり「スリムさん、最近のあなた方、全然面白くないですよ」と話し掛けられた。真栄田が「小栗さん、僕ね、仕事やお金がなくなるのが怖くて不安だけが勝ってるんです」と返すと「金がなくなっても2人で魚釣ってでも生きていけるでしょう。だからお笑いに集中してください」と厳しい言葉を掛けられた。

 当時は素直に耳を傾けられない部分もあったが「今となって思えば、全てはそういう不安や覚悟のなさが招いたんだと分かる」と真栄田は感謝する。

 謹慎処分後「道を歩くだけで犯罪者のような気分になった」という2人。そんな時、助けてくれたのも周囲や仲間だった。吉本の先輩はこぞって、食料や日用品などを差し入れてくれた。5キロのミニ米俵を送ったロンドンブーツ1号2号の田村淳(45)の行動に、品川庄司の庄司智春(43)はガリットチュウの熊谷茶(41)とともに謹慎芸人全員の家を回って“おかず”を差し入れたという。

 普段親交のある芸人はもちろん、真栄田が「一番尊敬するお笑いキング」と話すダウンタウンの松本人志(55)も処分数日後に2人を呼び、励ましの言葉を掛けた。支援の輪は近隣の飲食店や、仕事の縁で知り合ったラグビーW杯日本代表にも広がった。内間政成(43)は「謹慎解除の日、元代表の広瀬俊朗さんからもお祝いのメールをもらって本当にありがたかった」と話す。

 真栄田は「まさか自分が東京に出てきた時こういう人間関係をつくれるとは思ってなかった。こうなって初めて、人のありがたみを知った」と話した。

 闇営業騒動は吉本にとどまらず、芸能界や社会に大きな問題を提起した。その中でスリムクラブは「今度は僕たちの番。詐欺被害者や悩む芸人に、今後もずっと地道に向き合っていきたい」と話す。その小さな一歩が実を結ぶ日はきっと来る。=終わり=

 《内間妻帰ってきた》内間は、謹慎中に実家に戻ったと明かしていた夫人について「帰ってきましたよ」と笑顔で報告。夫人の好物の凍らせた「こんにゃくゼリー」を勝手に食べたことが原因で「いろいろ怒らせたことは事実ですが、大丈夫。心配おかけしました」と家庭円満をアピールした。

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2019年8月25日のニュース