林部智史「希望」の山形凱旋唱 感じる“必然の縁”故郷代表するナンバー「残していきたい」

[ 2019年8月25日 04:00 ]

最新シングル「希望」を酒田市民合唱団と歌った林部智史
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 「泣き歌の貴公子」と呼ばれる歌手の林部智史(31)が24日、山形・酒田市民会館「希望ホール」で最新シングル「希望」のリリース記念コンサート「希望音楽祭」を開いた。

 故郷の新庄市がある最上地方では初のコンサートで「やっぱり特別な思いがあります」と気合十分。さらに大きなモチベーションとなったのが「希望」だ。

 57歳で早世した酒田出身のシャンソン歌手・岸洋子さんの代表曲で、1970年に発売され日本レコード大賞歌唱賞などを受賞。翌71年の選抜高校野球大会の入場行進曲にも選ばれ、美空ひばりさんや石原裕次郎さんもカバーしている。76年の酒田の大火では市民が復興を誓う曲として歌われ、岸さんもチャリティーリサイタルを行うなど支援。会場の名称にもなった今もなお愛されている昭和の名曲を、約50年の時を経た令和に林部が歌い継ぐことになった。

 地元での初披露に当たり「ぜひ、皆さんと一緒に歌いたい」と酒田市民合唱団に依頼し、中学2年から80代までの約100人と合唱。大火の経験者や岸さんと親交のあった団員もおり「それぞれの思いを歌声からひしひし感じました」と情感を込めて歌い上げた。オープニングにも岸さんのヒット曲「夜明けのうた」を配し、ロングセラーで15万枚突破のデビュー曲「あいたい」やシャンソンの名曲「愛の讃歌」「ラストダンスは私に」の庄内弁バージョンにも挑戦。最後は「僕の声を通して、皆さんの一筋の希望になるように」と再び「希望」を熱唱する全17曲のステージで、約1300人のファンを酔わせた。

 林部は「希望」について「必然の縁のようなものも感じますし、懐かしさと新しさを伝えて若い世代にも残していきたい。聴く人それぞれの心に寄り添えるように歌っていきたい」と意欲。そして、「希望は紅白です」と、岸さんが7回出場したNHK紅白歌合戦出場を目標に据えた。

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