鈴木啓示氏　1巡目は直球、2巡目はフォーク、3巡目は再び直球　阪神・才木は強いスイングをさせなかった

セ・リーグ   阪神4―1巨人 （ 2023年5月28日    甲子園 ）

阪神・才木の球種割合
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　【鈴木啓示　視点】阪神はこの3日間で巨人に大きなダメージを与えた。交流戦前の最後の直接対決で、巨人は直前まで7勝1敗。状態を上げて乗り込んだ甲子園であわよくば3連勝も…という思惑があったはずだ。すべて僅差の競り合いで3連敗。リーグ戦再開後にも今回の嫌なイメージは確実に残る。

　勝っていても、どことなく不安があった昨季までの阪神とは違う。采配に対する信頼感も背景にあるだろう。選手たちは、いい意味で余裕を持ってグラウンドに立っているように見える。救援陣が苦しいはずの巨人が5回98球の松井に6回で代打。2番手の田中千が2イニング目につかまった。対照的に阪神は7回101球の才木を打席に立たせた。無死一塁でなく、1死無走者でも代打はなかったのでは。貯金の差も含めて、阪神が精神的にも優位に立っていた。

　才木はほとんどの打者に強いスイングをさせなかった。梅野のリードもうまくはまった。1巡目は直球でしっかり押し込んで意識付け。2巡目はフォーク主体で変化球を増やし、最後の3巡目は直球押しに戻した。初戦では桐敷が好投。自分も負けられないという気概を感じた。自信にあふれ、マウンドでも堂々としていた。（本紙評論家）