阪神・才木「村上に“クソっ”とかはない」周りを気にせずいつも自分に集中 5年前のG甲子園3連倒再現

[ 2023年5月29日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神4―1巨人 ( 2023年5月28日    甲子園 )

<神・巨>4回、先制ソロ本塁打を放ったミエセス(右)を出迎える才木(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 阪神・才木浩人投手(24)が28日、巨人戦で自己最長7回2/3を1失点に抑え、チームを21年以来2年ぶりの8連勝に導いた。甲子園での巨人3連戦3連勝は18年5月27日以来5年ぶり。くしくも今季3勝目を挙げた7年目右腕が、同日に先発してプロ初勝利を挙げていた。再び聖地でのG倒に貢献。貯金を今季最多17に伸ばした猛虎が勢いそのままに、30日から交流戦に臨む。

 ベンチで立ち上がった指揮官を確認して降板を感じ取った才木は、「まじかぁ…」とつぶやいた。この時点でプロ最長の7回2/3。任された8回を投げ切りたい…心の声が出た。

 「8回任せてもらって。投げ切りたかったのが本音です」

 会心の投球に近かったから余計に悔しい。6回まで許した安打は3回に投手の松井に浴びた左前打のみ。直球とフォーク主体の投球に固執せず、4回は先頭の坂本にオール変化球で空振り三振に斬り、6回は1死一塁で吉川をカーブで中飛に仕留めた。「梅野さんがうまくリードしてくれた」。開幕からバッテリーを組む女房役も「配球が偏らなかったのが良かった」と振り返ったように変幻自在のスタイルで10奪三振と相手打線を圧倒した。

 巨人戦での白星は、昨年8月21日(東京ドーム)以来通算3勝目。甲子園での同戦となれば18年5月27日以来となり、その試合は前回チームが甲子園で巨人戦3戦3勝を飾った日で、再び背番号35が聖地での伝統の一戦で“3タテ”を呼び込んだことになる。チームの8連勝にも貢献し「(連勝を)自分が止めないように、というのは頭の片隅にはありますけど。自分らしくいった」と淡々と振り返った。

 周りを気にせず、ずっと“てっぺん”だけを見てきた。18歳で入団し、プロ7年目。高卒同期の浜地、近年では佐藤輝、村上ら大卒の同年代も増えた。ただ、彼らに「ライバル」という視線を向けたことはほとんどない。

 「あんまり(同年代と)野球で競ってとかはない。村上に“クソっ”とかもないし。闘争心を持てと言われることもあるけど、自分のやることをやれば一番を獲れると思っている。ちょっと生意気なことを言うと、フィジカルが強くなって、コントロールも安定してちゃんとしたボールを投げられるようになったら他の誰にも負ける気はしない」。自己を高めることへの強烈な意識が、才木浩人というアスリートの原動力でもあり、本質だ。

 5月21日の広島戦に続いて再昇格後は連勝で今季3勝目。お立ち台では勝ち越し打を放ったノイジーに「アイラブユー!」と愛情表現した。ストイックでユーモラス。この若武者の魅力は尽きない。(遠藤 礼)

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年5月29日のニュース